- 2023/02/28 掲載
NY外為市場=ドル下落、最近の上昇見直す動き
商務省が朝方発表した1月の耐久財受注が4.5%減と、前月の5.1%増から減少に転じたこともドルの下落につながった。
ただアナリストは、米金利を巡るタカ派的な見方はやや後退したとしながらも、金利はより長期にわたり高水準にとどまるとの見方を示している。
コンベラ(ワシントン)のシニア・マーケット・アナリスト、ジョー・マニンボ氏は、予想を上回る一連の経済指標を受けドルは2月に入ってから約3%上昇したが、ここにきてポジションを整理する動きが出ていると指摘。「これまで多くの指標が発表され、これまでのところ予想以上に好調だったことがドル高要因になってきたが、市場関係者はここにきて一部取引を手仕舞い始めた」と述べた。
市場では米連邦準備理事会(FRB)の今後の金融政策の手がかりを得ようと、3月10日に発表される雇用統計のほか、3月14日発表の消費者物価指数が注目されている。
マニンボ氏は「2%のインフレ目標達成への道のりは長く、一本道ではないとの認識が市場で広まり始めている」とし、「雇用統計と消費者物価指数が発表されるまで、有意なドルの下落はない」との見方を示した。
この日発表の他の経済指標では、全米リアルター協会(NAR)の1月の中古住宅販売仮契約指数が前月比8.1%上昇し、2020年6月以来2年半超ぶりの大幅な伸びとなった。
金利先物は現在、政策金利は7月に5.4%近辺に引き上げられるとの見方を織り込む水準にある。2月初めの時点ではターミナルレート(政策金利の最終到達点)の予想は4.9%だった。
主要6通貨に対するドル指数は0.513%安。一時は1月6日以来の高値を付けた。月次ベースでは5カ月ぶりの上昇となる見通し。
ユーロは0.58%高の1.0607ドル。
円は対ドルで0.20%高の136.20円。一時は136.54円と、約2カ月ぶり高値を付けた。日銀総裁候補の植田和男元審議委員は参議院議院運営委員会で、現在の金融緩和はメリットが副作用を上回っているとの見解を示した。
英ポンドは0.96%高の1.2059ドル。英国のスナク首相と欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長はこの日、英国のEU離脱(ブレグジット)を巡る争点となってきた英領北アイルランドの物流規則を巡り合意したと発表した。
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