- 2023/03/02 掲載
独CPI、2月速報は前年比+9.3%に加速 予想上回る
[ベルリン 1日 ロイター] - ドイツ連邦統計庁が1日発表した2月の消費者物価指数(CPI)速報値は、欧州連合(EU)基準(HICP)で前年比9.3%上昇と1月の9.2%上昇から加速し、市場予想(9.0%上昇)を上回った。
前月比では1.0%上昇。市場予想は0.7%上昇だった。
消費者物価指数はフランスとスペインでも上昇。物価上昇に歯止めがかからない中、欧州中央銀行(ECB)は積極的な利上げを継続するとの観測が高まっている。
ドイツ連邦統計庁は2月のCPIについて、ロシアによるウクライナ全面侵攻開始以降、食品とエネルギーの価格が上昇し、全般的なインフレに大きく影響していると指摘。エネルギー価格は政府支援策にもかかわらず前年同月比19.1%上昇、食品価格は21.8%上昇した。
コメルツバンクの経済研究員、ラルフ・ソルベーン氏は、エネルギーと食品価格を除いたコアインフレ率が5.8%に加速したと推定される中、基調的な物価上昇圧力が一段と高まっている可能性が高いと指摘。「エネルギー価格が昨春ほど大きく上昇する公算は小さいため、向こう数カ月はインフレ率が低下する可能性があるが、インフレが収束するわけではない」と述べた。
INGのマクロ部門グローバル責任者、カーステン・ブルゼスキ氏は「労働市場が活況を呈しているため、賃金が上昇する」と予想。コアインフレ率は賃金上昇の影響で高止まりするとの見方を示した。同時に 「賃金の上昇の影響が購買力の低下を補うのみにとどまれば、ECBは一段と積極的に行動する必要はなくなる」とも述べた。
JPモルガンのエコノミスト、グレッグ・フゼシ氏は、ECBは3月の理事会で予想される0.50%ポイントの利上げに続き、5月に再度0.50%ポイントの利上げを決定する可能性が高まったと指摘。「利上げ幅の0.25%ポイントへの縮小は先送りされ、ターミナルレート(政策金利の最終到達点)は上昇する」と述べた。
ECBは昨年7月以降、合計3%ポイントの利上げを実施。ECB理事会メンバーのナーゲル独連銀総裁はこの日、ECBは3月以降も大幅な利上げが必要になる可能性があると述べている。
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