- 2023/03/03 掲載
FRB当局者、景気の持続性見極め重視 想定外に強い指標受け
ウォラーFRB理事とアトランタ地区連銀のボスティック総裁によるこの日の発言は、予想以上に強い米経済に対してFRBの政策が再び後手に回っているのか、あるいは米経済が成長率とインフレ率鈍化の軌道に既に乗っているのか、という政策の先行きを決定づける重要な疑問点を浮き彫りにした。
ウォラー理事は2月の一連の経済指標は米連邦公開市場委員会(FOMC)が「経済活動とインフレの抑制で進展を遂げているという私の見方に反する内容だった」と指摘。「進展が止まった、あるいは先月の指標が一時的な現象だったというどちらの可能性もある」とした。
今後の指標が景気やインフレの鈍化を示すものであれば、フェデラルファンド(FF)金利が12月のFOMCで示した参加者の予想並みに上昇することを「支持」するとした。12月にFOMC参加者19人のうち13人が、政策金利のピークが5.1─5.4%のレンジになると予測した。
ただ「経済指標の過熱が続けば、政策金利は年内にさらに引き上げなければならない」との考えを示した。
現在のFF金利の誘導目標は4.5─4.75%。
ボスティック総裁もまた、インフレ率が1月の約5.4%から2%の目標水準まで「明確に」戻りつつあることが今後の指標で示されなかければ、さらに高い水準に金利を引き上げる用意があると述べた。
ただ、「私はまだ、ゆっくりと着実に行動することが適切と考えている」と述べ、利上げ停止までは恐らくあと2回、0.25%ポイントの利上げをする必要があるとの認識も示した。
過去の利上げの効果は、今春に本格的に発現するはずだとし「緩やかなペースで進めば、過度な引き締めとなる可能性を抑えられる」と指摘した。
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