- 2023/03/07 掲載
NY市場サマリー(6日)ドル下落、利回り小幅上昇 S&P小幅続伸
<為替> 終盤時点でドル指数が下落。7─8日のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言と10日発表の2月米雇用統計に注目が集まっている。
ドル指数は0.26%安の104.35で推移。ただ、2月1日に付けた9カ月ぶりの安値100.80からは大きく上昇している。
この日発表された1月の製造業新規受注は前月比1.6%減少した。民間航空機の受注急減の影響で減少したものの、機械などは増加し、製造業が足元を固めつつある可能性を示唆した。
一方、米ニューヨーク連銀は、2月のグローバル・サプライチェーン・プレッシャー・インデックス(GSCPI)を発表し、「世界的なサプライチェーンを巡る状況は正常に戻ったことを示唆している」との見解を示した。
パウエル議長の証言は、最近のデータを受けてFRBが利上げペースを再加速するか否かに関する新たなシグナルを得るため注目される。
フェデラルファンド(FF)金利先物市場では、FRBが3月21─22日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で25ベーシスポイント(bp)の利上げを行う確率を76%、50bp利上げを行う可能性を24%織り込んでいる。
アナリストは、FRBは再び利上げペースを拡大することに消極的であるとも指摘する。利上げ幅を25bpに縮小したのは間違いだったと示すことになり、投資家の不安感をあおる可能性があるためという。
中国人民元と豪ドルは下落。5日開幕した中国の第14期全国人民代表大会(全人代)で、李克強首相が2023年の経済成長率の目標を5%前後とし、昨年の目標(5.5%前後)より低く設定したことが背景。
ドル/オフショア人民元は0.81%高の1ドル=6.9519元。豪ドルは0.67%安の0.6723米ドルだった。
ユーロ/ドルは0.35%高の1.0671ドル、ポンド/ドルは0.20%安の1.2019ドル。
ドル/円は、9─10日に黒田総裁にとって最後となる日銀金融政策決定会合を控え、0.15%高の136.02円となった。
NY外為市場:[USD/J]
<債券> 1月製造業新規受注で製造業が足元を固めつつあることが示され、国債利回りが徐々に上昇した。7─8日のパウエルFRB議長議会証言が焦点となっている。
1月の製造業新規受注は前月比1.6%減少。民間航空機の受注急減の影響で減少したものの、機械などは増加した。
10年債利回りは2ベーシスポイント(bp)上昇し3.983%。先週、10年債利回りは11月10日以来の高水準となる4.091%に、2年債利回りは15年ぶり高水準となる4.944%に達した。
ブリンマー・トラストの債券担当ディレクター、ジム・バーンズ氏は「パウエル議長の発言は重要だ。議長がどの程度の確信を持っているかにもよるが、2─3回の利上げを認める可能性もある」と述べた。
FRBの50bp利上げに対する期待は徐々に高まっている。CMEのフェドウオッチによれば、トレーダーは3月の会合での同確率を30.6%とみている。1週間前には24%だった。
30年債の利回りは2.6bp上昇し3.913%。
2年債と10年債の利回り格差はマイナス91.1bp。景気後退のサインとされる「逆イールド」は解消していない。
2年債利回りは3.1bp上昇の4.892%だった。
物価連動国債(TIPS)と通常の国債の利回り差で期待インフレを示すブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)は、5年物が2.792%、10年物が2.508%だった。
米金融・債券市場:[US/BJ]
<株式> S&P総合500種が小幅に続伸。ただ、パウエルFRB議長の議会証言や雇用統計を週内に控えて警戒感が広がる中、米国債利回りの上昇を受け、この日の高値を下回る水準で取引を終えた。
序盤の取引では主要株価指数が堅調に推移し、ナスダック総合は1%超上昇する場面もあった。ゴールドマン・サックスが投資判断「バイ」でカバーを開始したのを手掛かりにアップルが上昇したことなどが支援材料となった。
ただ、商務省が発表した1月の製造業新規受注が予想ほど落ち込まず、米10年債と2年債の利回りが上昇したことを受け、株価指数は一時の高値から下落。ナスダックはマイナス圏で引けた。
米サンフランシスコ地区連銀のデイリー総裁は4日、インフレの脅威について警告し、FRBが予想以上に金利を引き上げ、長期にわたり高金利を維持する可能性を示唆した。
投資家はパウエルFRB議長が7─8日の議会証言で今後の利上げの道筋について手掛かりを示すか注視する。
市場は年内に25bpの利上げを少なくともあと3回見込み、金利が9月までに5.44%でピークを打つと予想している。
業種別ではS&Pの主要11部門のうち6部門が上昇。コモディティーに関連した素材は1.7%安と軟調だった。中国が今年の経済成長率目標を5%前後と予想を下回る水準に設定したことを受けた。
上げ幅が最も大きかったのは情報技術セクター。アップルが1.9%高だったほか、マイクロソフトが0.6%、アルファベットが1.6%、それぞれ上昇した。
暗号資産(仮想通貨)関連銘柄は不安定な値動きとなった。シルバーゲート・キャピタルが独自の決済ネットワーク停止を発表し、事業継続に懸念が生じた。シルバーゲートは6.2%安、同業のシグネチャー・バンクは2.5%安。
米国株式市場:[.NJP]
<金先物> 様子見姿勢が強まる中で小動きとなった。中心限月4月物の清算値(終値に相当)は前週末と同水準の1オンス=1854.60ドル。
NY貴金属:[GOL/XJ]
<米原油先物> 対ユーロでのドル軟化を背景に5営業日続伸した。米国産標準油種WTIの中心限月4月物の清算値(終値に相当)は前週末比0.78ドル(0.98%)高の1バレル=80.46ドルだった。5月物は0.77ドル高の80.56ドル。
米石油大手シェブロンのマイク・ワース最高経営責任者(CEO)はこの日、米テキサス州ヒューストンで開催中のエネルギー業界の国際会合「CERAウィーク」に出席。市場には依然としてロシア産原油が出回っているもののコストが異なっているとし、石油市場と物流の需給が引き締まっており、予期せぬサプライチェーン (供給網)の混乱に対して脆弱な状態となっているとの見方を示した。
また欧州の大手石油商社であるガンバーのトルンクビストCEOが、中国の石油需要が回復し、今年の下半期には原油価格が上昇する可能性があると指摘したことも相場を支えた。
NYMEXエネルギー:[CR/USJ]
ドル/円 NY終値 135.91/135.95
始値 136.15
高値 136.17
安値 135.65
ユーロ/ドル NY終値 1.0678/1.0680
始値 1.0638
高値 1.0694
安値 1.0633
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 95*06.00 3.8987%
前営業日終値 95*12.50 3.8870%
10年債(指標銘柄) 17時05分 96*07.00 3.9636%
前営業日終値 96*07.00 3.9630%
5年債(指標銘柄) 17時05分 98*27.75 4.2546%
前営業日終値 98*28.00 4.2530%
2年債(指標銘柄) 17時05分 99*16.38 4.8861%
前営業日終値 99*17.88 4.8610%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 33431.44 +40.47 +0.12
前営業日終値 33390.97
ナスダック総合 11675.74 -13.27 -0.11
前営業日終値 11689.01
S&P総合500種 4048.42 +2.78 +0.07
前営業日終値 4045.64
COMEX金 4月限 1854.6 ‐0.0
前営業日終値 1854.6
COMEX銀 5月限 2113.5 ‐10.3
前営業日終値 2123.8
北海ブレント 5月限 86.18 +0.35
前営業日終値 85.83
米WTI先物 4月限 80.46 +0.78
前営業日終値 79.68
CRB商品指数 273.5867 ‐1.4668
前営業日終値 275.0535
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