- 2023/03/15 掲載
米銀行株の売り一服、当局はシリコンバレー銀破綻の経緯調査
一方、関係筋によると、米司法省はシリコンバレー銀の破綻について調査を開始。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によると、米証券取引委員会(SEC)も並行して調査に着手しており、規制当局は破綻の経緯を探る動きを強めた。
先週末のSVBとシグネチャー・バンクの破綻で金融システム全体に混乱が波及するとの懸念はいったん和らいだが、完全に払拭されたわけではない。
ユーロ圏銀行の信用リスクの指標は13日に昨年7月半ば以来の高水準を付け、格付け会社ムーディーズは14日、米国の金融セクターの経営環境が悪化したとし、米銀行システムに対する見通しを「ステーブル」から「ネガティブ」に変更した。
地方銀行株のファースト・リパブリック・バンクは14日に27%の急騰を演じ、キーコープは約7%上昇した。
クレセット・キャピタルの最高投資責任者(CIO)、ジャック・アブリン氏は「大型破綻がすぐになければ不安は収まるだろう」と述べた。
ヘッジファンドのシタデルは、週初に急落していた銀行持ち株会社ウェスタン・アライアンスの株式5.3%を取得し、銀行セクターへの信頼感を示唆した。
キーター・グループのマネジングパートナー、マシュー・キーター氏は連邦準備理事会(FRB)がタカ派的見通しを一部取り下げるとの市場の見方が、値動き安定化の一因だと指摘。「FRBが注意深く行動しなければ、金融システムに意図しない衝撃を与える可能性がある」とした。
米ニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)はシグネチャー・バンクの閉鎖について、暗号資産(仮想通貨)とは関係ないとし、シリコンバレー銀行破綻を受けて週末に発生したシグネチャー経営陣に対する「重大な信頼の危機」を原因に挙げた。
一方、ブルームバーグ・ニュースによると、シリコンバレー銀の貸出債権についてアポロ・グローバル・マネジメントやブラックストーン KKRといったプライベートエクイティー(PE)大手が関心を示している。
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