• 2023/03/16 掲載

FRBの新たな銀行向け流動性供給措置、バランスシート圧縮遅らせる可能性

ロイター

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[15日 ロイター] - 先週以降の米銀2行の経営破綻を受け、米連邦準備理事会(FRB)は危機の広がりを予防する目的で12日に銀行向けの新たな流動性供給措置「銀行ターム・ファンディング・プログラム(BTFP)」を打ち出した。これがFRBのバランスシート圧縮の取り組み(量的引き締め=QT)にブレーキをかける可能性がある。

BTFPは、銀行が保有する債券を担保として差し入れる代わりに、預金や資本のポジション強化に必要な資金をFRBが供給する仕組みだが、この担保債券は最終的にFRBのバランスシートにとどまるからだ。

ライトソンICAPのアナリストチームは今週の調査ノートで、BTFPは銀行側から相当な需要があると予想。その理由として、銀行にとって金利上昇で既に評価額が下がっている債券をFRBに差し入れれば「額面」で評価してくれる点を挙げた。

BTFPが実際にどの程度利用されるか次第とはいえ、満期償還と再投資見送りでFRBのバランスシートから毎月消える1000億ドル近い債券に相当する規模が、新たに加わってもおかしくない。

結果としてライトソンや他の市場関係者は、QTがペースダウンするかもしれないとみている。

ライトソンは、銀行にとってBTFPは条件が良いので他の手段から調達を切り替える動きも出て、FRBのバランスシートを拡大させるとともに、QTが意図する銀行システムからの流動性吸収には時間がかかるだろうとの見方を示した。

LHマイヤーのエコノミスト、デレク・タン氏は、近いうちにFRBのQTを巡る方針が変わるとは想定していないとしつつも、緊張を強いられている銀行システムには金融政策が過度に引き締め的になりつつある環境で、物価高を抑えるためにさらなる対応をしなければならないというFRBとして困難な事態になると指摘した。

タン氏によると、当面は銀行システムの準備額にかなり余裕があるのでQTを修正する必要はないものの、BTFPが実際に準備金を増やしてバランスシートを拡大させる以上、準備額は以前の想定ほど減少しないのではないかという。

シティバンクのアナリストチームは、BTFPは「強力な安全装置」だが、過去の例を踏まえるとリスク回避モードはしばらく続くので、FRBはこの重大な岐路においてどのような方法でQTとタカ派的な金利政策を継続していくのか想像し難いと述べた。

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