EXCLUSIVE-ＪＰＭ・シティなど、銀行危機に乗じた顧客勧誘を自制　社員に周知

[ニューヨーク ２３日 ロイター] - 米地銀の相次ぐ破綻で中小銀行から顧客資金が引き出される中、ＪＰモルガン・チェース、シティグループ、バンク・オブ・アメリカ（ＢｏｆＡ）などの米銀大手は危機に乗じて顧客を勧誘することのないよう従業員にくぎを刺した。関係者の話やロイターが確認した社内メモで分かった。

最大行のＪＰモルガンは１３日付の従業員宛てのメモで「ストレス状態や不確実性を利用するような印象を与えてはならない」、「競合他社を中傷するような発言はしない」と指示した。

同社の消費者・法人向けバンキング部門幹部も同日、支店従業員に「ストレス下にある金融機関の顧客を勧誘するのは控えるように」と伝えた。

関係者によると、シティグループも部門責任者に同様の指示を行い、他行や市場のうわさについて憶測で話さないよう指導。見込み客との話し合いで他行の状態について話さないよう、銀行員に注意を促すメモを送ったという。

ＢｏｆＡ幹部は、従業員が経営難にある他社の顧客を勧誘したり、混乱を助長したりしないよう説明を受けたという。

ウェルズ・ファーゴの消費者・中小企業向けバンキング責任者も２３日、「現在の状況に乗じて、他者に不利益をもたらすと受け取られかねない活動をしてはならない」と社員に注意喚起した。