- 2023/03/27 掲載
日経平均は反発、過度な金融不安が緩和 景気懸念くすぶる
日経平均は100円高近い上昇でスタートした。前週末の米国市場で株価の主要3指数が上昇したことを好感する形で買いが先行した。米連邦準備理事会(FRB)当局者の発言を受けて、銀行セクターの流動性危機を巡る懸念が和らいだ。29日が3月期末の配当権利つき最終売買日となり、配当取り狙いの買いへの思惑も出た。
一方、主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)は下落しており、東京市場でも指数寄与度の大きい半導体関連株は朝方から軟調だった。日経平均は一時、わずかにマイナスに転じる場面があった。
3月の米購買担当者景気指数(PMI)速報値は強かったが「金融不安が初期の段階の数字であって、企業業績への影響をこれから見極める必要がある」(国内証券のアナリスト)といった慎重な見方は根強い。銀行株は軟調だった一方、陸運業や医薬品などのディフェンシブ株は物色された。
市場では「銀行やファンドの経営行き詰まりといったリスクはくすぶり続けているが、目先は米大手ハイテク株が買われており、底堅い動きは続くのではないか」(水戸証券の酒井一チーフファンドマネージャー)との見方が聞かれた。
TOPIXは0.33%高の1961.84ポイント、東証プライム市場指数は前営業日比0.33%高の1009.36ポイントで取引を終了した。プライム市場の売買代金は2兆2884億2000万円だった。東証33業種では、値上がりは陸運業や卸売業、不動産業など25業種で、値下がりは銀行業や鉱業、電気機器など8業種だった。
JR東海や三井不動産が堅調。株主還元の方針が好感された岡三証券グループはストップ高となり昨年来高値を更新した。一方、東京エレクトロンや三井住友FGは軟調だった。
東証プライム市場の騰落数は、値上がりが1239銘柄(67%)、値下がりは515銘柄(28%)、変わらずは82銘柄(4%)だった。
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