- 2023/03/28 掲載
午前の日経平均は小幅続伸、金融不安への過度な警戒和らぐ 金融株が堅調
日経平均は96円高でスタート。その後も上げ幅を拡大し、一時、前日比約126円高の2万7603円まで上昇した。ただ、その後は伸び悩む展開が続き、前引けにかけてはドル/円相場で円高が進行したことから、日経平均は一時、マイナス圏に沈む場面もみられた。
前日の米国市場では、米地銀ファースト・シチズンズ・バンクシェアーズによるシリコンバレー銀行(SVB)の買収が決まり、投資家の不安心理が和らいだことで、銀行株が買われた。一方、ハイテク株比率の高いナスダック総合や、主力半導体株で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)は下落。東京市場でも、足元で売られていた銀行や保険などの金融株には買い戻しの動きがみられた一方、指数寄与度の大きい銘柄が軟調で指数の重しとなった。
ニッセイ基礎研究所の井出真吾チーフ株式ストラテジストは「寄り付き時点に比べ、ドル/円相場で円高が進行していることが重しとなっている」と指摘。3月期末の配当取りを狙った買いがおおむね一巡したことから、為替の円高進行が続く場合は「後場にかけてもやや軟調な展開が想定される」(井出氏)との見方を示した。
欧米の金融システム不安への警戒感が後退する中で、「週末にかけて、金融不安が再度高まるようなことがなければ日本株は意外高が生じる可能性もあるのではないか」(国内証券のストラテジスト)との声も聞かれた。
TOPIXは0.30%高の1967.76ポイントで午前の取引を終了。東証プライム市場の売買代金は1兆1254億7300万円だった。東証33業種では、鉱業や銀行業、保険業など22業種が値上がり。サービス業や精密機器、陸運業など11業種は値下がりした。
個別では、指数寄与度の大きい東京エレクトロンやアドバンテストなどの半導体関連銘柄が軟調。一方、みずほフィナンシャルグループは3.3%高、三井住友フィナンシャルグループは3%高と、大手行が軒並み堅調に推移した。第一生命ホールディングスは2.6%高だった。
東証プライム市場の騰落数は、値上がりが747銘柄(40%)、値下がりが1001銘柄(54%)、変わらずが88銘柄(4%)だった。
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