米裁判所、バイナンスＵＳのボイジャー買収差し止め

[２７日 ロイター] - 米ニューヨーク連邦裁判所は２７日、経営破綻した暗号資産（仮想通貨）融資会社ボイジャー・デジタルを交換業バイナンス・ドット・ＵＳが買収する計画の仮差し止めを命じた。米政府が買収の合法性に異議を申し立てた訴訟に時間的猶予を与えるためとした。

ニューヨーク南部地区連邦検事局と司法省の管財官局は、破産裁判所によるボイジャー買収の承認をめぐり、３月上旬に異議を申し立てた。買収を認めれば、証券登録されていない暗号資産や米国の証券関連法に違反する取引を実質的に認可することになると主張した。

バイナンス・ドット・ＵＳは２０００万ドルの現金をボイジャーに支払い、顧客が預け入れている暗号資産を引き継ぐことに合意。暗号資産の価値は２月時点で１３億ドルで、買収価格の大部分を占める。

これとは別に、米商品先物取引委員会（ＣＦＴＣ）は２７日、国際的な暗号資産（仮想通貨）交換所バイナンスと経営陣を提訴したと発表。「違法な」交換所を運営しているとした。

バイナンス・ドット・ＵＳは世界最大の交換所であるバイナンス・ドット・コムからは完全に独立し、「米国のパートナー」の立場で事業を展開していると説明している。