ユーロ圏銀行混乱は収束へ、利上げ継続必要＝ＥＣＢレーン理事

［フランクフルト　２９日　ロイター］ - 欧州中央銀行（ＥＣＢ）のチーフエコノミスト、レーン専務理事は２９日、ユーロ圏銀行セクターの最近の混乱は収束に向かう公算で、ＥＣＢはインフレ抑制に向け利上げを継続する必要があるとの見解を示した。

レーン氏は独紙ツァイトに、銀行各行は十分な資本と流動性を有しており、ユーロ圏には、米国やスイスの銀行の緊張の直接的影響は見られないと指摘。

「われわれの基本シナリオでは、インフレ率を２％に下げるには一段の利上げが必要になる」とし「金融ストレスがゼロではないが、かなり限定的だと判明した場合、金利はまだ上昇する必要がある」と述べた。

インフレ率は依然高いが、生産の初期段階での価格圧力は緩やかになっており、いずれ消費者物価に反映されると予想。

「生産の初期段階、農産品の出荷価格、食材価格を見ると、いずれも好転していることが分かる」と述べた。

インフレ率を低下させるには景気後退が必要ということはなく、ソフトランディング（軟着陸）も可能との見方を示し、「（新型コロナウイルスの）パンデミックで成長の勢いをかなり失ったので、パンデミック後の回復とインフレ低下が同時に起こる可能性もある」と述べた。