- 2023/04/05 掲載
日経平均は4日ぶり反落、米景気懸念や円高が重し 全面安の商状
日経平均は約170円安でスタートした後も徐々に下げ幅を拡大する展開となった。前日の米国市場で弱い米経済指標を嫌気し米株安となったことが嫌気されたほか、為替が前日に比べドル安/円高で推移したことも重しになった。一時498円65銭安の2万7788円77銭に下落した。
米金融大手JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は4日、米国の銀行危機はまだ終了しておらず、影響は何年にもわたり継続するとの見方を示しており「金融不安の継続や景気懸念が改めて警戒された」(三木証券の北沢淳商品部投資情報グループ次長)という。
金融機関による益出しの売りが断続的に出たとの声が聞かれたほか、このところ堅調だった値動きの反動が出たとの見方があった。10営業日連続して終値で上回っていた5日移動平均線や節目の2万8000円を割り込んだ後も戻りが鈍く「いったん利益を確定したいムードが強まった」(国内証券のアナリスト)という。
市場では「米金融政策から米景気に目線が移ってきている。景気浮揚の材料が少ない中、日本株は東証による企業への改革要請やインバウンド(訪日外国人)需要などへの思惑が支えになるとみるが、上値も追いにくい」(北沢氏)との見方が聞かれた。
TOPIXは1.92%安の1983.84ポイント、東証プライム市場指数は前営業日比1.92%安の1020.76ポイントで取引を終了した。プライム市場の売買代金は2兆8161億1900万円だった。東証33業種では、値下がりは鉄鋼や石油・石炭製品、卸売業など32業種で、値上がりは海運業の1業種だった。
トヨタ自動車や神戸製鋼所は軟調。ファナックや三井物産はさえなかった。一方、北米での電気自動車(EV)バッテリー工場建設を巡って欧米自動車メーカーと協議していると一部で報じられたパナソニック ホールディングスが昨年来高値を一時上回った。川崎汽船は堅調だった。
東証プライム市場の騰落数は、値上がりが57銘柄(3%)、値下がりは1763銘柄(96%)、変わらずは15銘柄だった。
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