- 2023/04/19 掲載
米3月一戸建て住宅着工、2.7%増 2カ月連続で増加
[ワシントン 18日 ロイター] - 米商務省が18日発表した3月の一戸建て住宅着工件数(季節調整済み)は前月比2.7%増の年率換算で86万1000戸となった。増加は2カ月連続。一戸建ての建設許可件数も4.1%増の81万8000戸となり、住宅市場低迷の最悪期を脱した可能性が高いことが示唆された。
一戸建ては住宅建設の大部分を占めている。
2月の一戸建て住宅着工件数は83万8000戸と、当初発表の83万戸から上方修正された。
ネーションワイドのシニアエコノミスト、ベン・エアーズ氏は「住宅ローン金利は10─11月のピークから低下し、需要や販売活動に弾みをつけるのに寄与している」と指摘。「一方で建設業者にとっては高い投入コストや人件費、購入者にとっては高額な資金調達手段など、依然として厳しい環境が続いている」と述べた。
一戸建て住宅の着工件数は北東部で4.4%増、中西部で23.6%増となった。人口密度の高い南部でも4.8%増加。一方、西部では16.0%減少した。
3月の一戸建て住宅の着工件数は前年同月比で27.7%減だった。
米連邦準備理事会(FRB)の積極的な利上げを背景に住宅市場は低迷。住宅投資は2022年第4・四半期まで7四半期連続で縮小し、07―09年の世界金融危機に端を発した住宅バブルの崩壊以来の最長となっている。
ただ、住宅市場が底を打った兆候もある。17日発表された全米住宅建設業者協会(NAHB)/ウェルズ・ファーゴ住宅建設業者指数は4月に7カ月ぶりの高水準に上昇した。
米連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)のデータによると、米国で広く利用されている期間30年の住宅ローン固定金利が先週は6.27%となり、昨年秋に付けた今回の上昇局面のピークとなった7.08%から下がっている。
一方で米国の2つの地方銀行が経営破綻したのに伴う最近の金融不安を背景に、銀行や住宅ローン融資業者が引き受けの基準を厳格化する可能性がある。
5戸以上の集合住宅の着工件数は6.7%減の54万2000戸。ただ引き続き賃貸住宅需要が下支えしている。
一戸建てと集合住宅を合わせた全体の住宅着工件数は0.8%減の142万戸。ロイターがまとめた市場予想は140万戸だった。
5戸以上の集合住宅の建設許可件数は24.3%減の54万3000戸。全体では8.8%減の141万3000戸となった。
未着工の住宅は3.0%減の29万1000戸。一戸建て住宅の受注残は2.3%減の13万戸と21年2月以来の低水準となったが、一戸建て住宅の完成件数は2.4%増の105万戸となった。
建設中の一戸建て住宅は2.3%減の71万6000戸。21年8月以来の低水準だった。
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