- 2023/04/21 掲載
NY外為市場=ドル下落、低調な指標が米景気後退懸念あおる
15日までの1週間の米新規失業保険申請件数は前週から5000件増加し24万5000件となった。ロイターがまとめたエコノミスト予想(24万件)を上回り、労働市場が徐々に減速していることを示唆した。
フィラデルフィア地区連銀が発表した4月の製造業業況指数はマイナス31.3に低下し、約3年ぶりの低水準を付けた。
3月の中古住宅販売戸数は年率換算で前月比2.4%減の444万戸となり、2カ月ぶりに減少し、市場予想の450万戸に届かなかった。
ウェルズ・ファーゴ・セキュリティーズのマクロストラテジスト、エリック・F・ネルソン氏は「米経済が景気後退に向かっている状況がますます明白になっている。時間の問題だ」と指摘。「米景気後退はドルにとり悪材料となる。米国が世界を不況に導くなら、ドルへの大きな需要は見込めない」と述べた。
こうした中、クリーブランド地区連銀のメスター総裁はFRBが昨年から行ってきた積極的な金融引き締めが終わりに近づいているとしつつも、まだ利上げの余地があると述べた。
クレディ・スイスのマクロストラテジスト、アルビス・マリノ氏は「FRBのレトリックはより高水準の金利を長期間維持するということだ」と指摘。しかし低調な米指標を踏まえ、「ドルに対する金利の支えが失われる可能性がある」とし、「市場はFRBが年内に利下げに踏み切るという見方も台頭している」と述べた。
CMEのフェドウォッチによると、金利先物市場が織り込む5月連邦公開市場委員会(FOMC)での0.25%ポイント利上げの確率は約90%。また、6月に利上げが停止される確率は約69%となっている。
終盤の取引で、主要通貨に対するドル指数は0.1%安の101.84。一時、2月初旬以来の低水準を付ける場面もあった。
ドル/円<JPY=>は0.3%安の134.30円。対スイスフランでも0.5%安の0.8934フラン。
ユーロ/ドルは横ばいの1.0962ドル。
欧州中央銀行(ECB)は5月4日に開催する理事会で7会合連続の利上げに踏み切ると予想されている。
ポンド/ドルは0.1%安の1.24ドル。英国立統計局(ONS)が19日発表した3月のCPIは前年同月比10.1%上昇した。伸び率は前月の10.4%から縮小したものの予想を上回り、市場は英中銀が来月利上げする可能性をほぼ織り込んだ。
ドル/円 NY終値 134.23/134.25
始値 134.55
高値 134.82
安値 134.02
ユーロ/ドル NY終値 1.0967/1.0971
始値 1.0970
高値 1.0989
安値 1.0934
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