- 2023/04/22 掲載
EV、危機感持ち対応=年150万台へ生産効率・商品力改善―佐藤トヨタ社長インタビュー
今月就任したトヨタ自動車の佐藤恒治社長は21日までに報道各社のインタビューに応じた。佐藤氏は、出遅れが指摘される電気自動車(EV)について「世の中の動きが速いのは事実なので柔軟に迅速に対応していくべきだ。危機感を持って臨まないといけない」と強調。生産効率や商品力の改善を進めた上で、2026年までにEV10車種を投入し、世界で年間150万台の販売を目指す計画の実現に意欲を見せた。
佐藤社長は技術畑の出身。約14年にわたって社長を担った創業家出身の豊田章男現会長からバトンを引き継ぎ、1日に就任した。
佐藤氏は「大きな流れとして自動車産業は電動化、EV化の方向に流れていく」と指摘。これまでEV市場の見通しが甘かったことを反省点に挙げ、品ぞろえの強化などを通じて需要の拡大にキャッチアップしていく方針を示した。
ただ、車の電動化については「エネルギー安全保障を考えると多様な解決策を持っていないといけない。地域の特徴や経済への影響、使用環境などの現実を無視しては進まない」と述べ、EVだけでなく、ハイブリッド車(HV)やプラグインハイブリッド車(PHV)、燃料電池車(FCV)など多様な環境車の選択肢をそろえる「全方位戦略」を堅持する意義を訴えた。
社長として果たすべき使命については「豊田会長が築いた土台を生かしながら、新しい次のステップに向けてトヨタと自動車産業をリードすることだ」と説明。独自色をどう発揮するかに関しては「会長と自分で一番違うのはエンジニアだという点だ」と語り、商品である「車」を通じて自分らしさをアピールしていく考えを示した。
同社は今月の経営方針説明会で、世界で販売する新車1台当たりの二酸化炭素(CO2)排出量を35年に19年比50%以上削減する目標を掲げた。佐藤氏は「かなり意欲的な数字だ」とした上で、「EVなどはすべて手段の話であり、一番大切なのはCO2を減らすことだ。実現に向けて頑張りたい」と意気込んだ。
【時事通信社】 〔写真説明〕インタビューに答えるトヨタ自動車の佐藤恒治社長=17日、名古屋市(代表撮影)
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