• 2026/07/07 掲載

カナダ、国外犯罪網をハッキング──異例の公表

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カナダ通信安全保障局は2025年度から2026年度にかけての年次報告書を公表し、国家の安全や公衆衛生を脅かす国外の敵対勢力に対する攻勢的なハッキング活動を明らかにした。対象は違法な薬物ブローカー、暴力過激主義組織、ランサムウェア集団の3グループで、サーバ破壊やデータ消去などの実力行使に及んだ。同局によるこうした能動的なサイバー作戦の具体的な成果公表は異例である。
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(画像:本文をもとに生成AIで作成)
 第1の標的は北米で深刻な被害をもたらす合成オピオイド、フェンタニルの前駆体化学物質を扱う違法ブローカー。同局はブローカーの取引プラットフォームや通信手段へハッキングを行い、暗号資産ウォレットの凍結や取引データの操作を通じて取引インフラや決済能力を減退させた。国家機関がサイバー攻撃でグローバルな薬物供給網の決済インフラを破壊した事例公表は極めて稀だ。

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【図版付き記事はこちら】
異例の事例公表となる
(画像:本文をもとに生成AIで作成)

 第2の標的はインターネットを通じて若者の過激化や新規メンバーの勧誘を行っていた国外の暴力過激主義組織だ。同局はネットワークの脆弱性を突き、オンラインプラットフォームの配信機能を破壊してプロパガンダの配信能力を封じ込めたという。

 第3の標的は医療や交通など国内の重要インフラへ25回以上もの侵害を繰り返していたロシア語圏ルーツのランサムウェア集団。米国、英国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの5カ国による機密情報共有の枠組み「ファイブ・アイズ」と協調して内部ネットワークを特定し、バックエンドサーバやインフラを起動不能に追い込んだ。さらにダークウェブ上のWebサイトで販売されていた大量の機密データをサーバから直接消去した。このほか主要な10グループに対しても技術的妨害を同時に実行し、攻撃能力を一時的に喪失させた。

 こうした活動の背景にはカナダのインフラを脅かす中国による継続的なネットワーク侵入への対抗策がある。加えて、米国から求められている国境管理や麻薬対策の実績提示という政治的な意図もある。一律の緊縮財政が進む政府において同局は例外的に歳出削減が抑えられており、正規職員数を前年度比8.1%増の4178人に拡大するなど体制強化を急いでいる。

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