- 2023/04/25 掲載
午後3時のドルは134円前半でほぼ横ばい、ユーロ/円は8年4カ月ぶり高値
仲値にかけては五・十日に伴い、国内輸入企業のドル買いが通常よりも多く入ったとみられ、134円前半まで上昇。その後もクロス円を中心に円売り圧力が強まり、ドルは134円前半で底堅さを維持した。
ただ、時間外取引の米長期金利が3.47%付近と14日以来1週間半ぶりの低水準で推移し、ドルの上値を抑える格好となった。米中堅銀ファースト・リパブリック・バンクによる1000億ドル超の預金流出が明らかとなり、「金融システム不安を再燃しかねない」(外銀)ことや、米債務上限を巡る懸念も高まるなど、積極的にドルを買う材料も乏しかった。
日銀の金融緩和継続姿勢を背景に、足元のドルは134円前半と、レンジ内の上限で推移している。植田和男日銀総裁はこの日の衆院財務金融委員会で、現在の経済・物価・金融情勢を踏まえれば現行のイールドカーブ・コントロール(YCC)による金融緩和の継続が適当だと述べた。
楽天証券のFXディーリング部、荒地潤氏は「市場では日銀の政策修正への期待が低下している」とし、今週末の日銀金融政策決定会合で政策が現状維持となったとしても、「市場は織り込んでいるとみられ、135円程度までの上昇にとどまるのではないか」との見方を示す。
ユーロは対ドルで、一時1.1068ドルと14日以来1週間半ぶりの高値を付けた。対円では一時148.62円と、2014年12月以来の水準まで上昇した。
欧州中央銀行(ECB)当局者は積極的な金融引き締め姿勢を示す一方、米国は利上げ打ち止めが意識されているほか、日銀は金融緩和を継続する姿勢を示すなど、金融政策の違いを背景に「ユーロ買いが本格的に入ってきた」(国内銀)という。
りそな銀行の総合資金部市場トレーディング室、田中春菜氏は、金融政策の方向性の違いから「(対ドルや欧州通貨では)6月くらいまで円安方向が続きやすい」と指摘。ただ同時に「金融引き締めによる景気の冷え込みに対する警戒感も強く、ドルやユーロは対円でじわじわと上昇していくのではないか」との見方を示した。
ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円
午後3時現在 134.19/21 1.1048/52 148.25/29
午前9時現在 134.07/09 1.1055/59 148.24/28
NY午後5時 134.22/25 1.1041/45 148.26/30
PR
PR
PR