- 2023/06/01 掲載
ECB、一段の引き締め必要 インフレ率高すぎる=ラガルド総裁
[フランクフルト 1日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は1日、ユーロ圏のインフレ率は依然として高すぎると指摘し、これまでの利上げの効果が出ていることを示す材料が増えていても一段の引き締めが必要との見解を示した。
講演で「現在インフレ率は高すぎ、あまりにも長く高止まりしそうだ。われわれはインフレ率を2%の中期目標までタイミングよく引き下げる決意だ」と表明した。
「そのためこれまでで最も速いペースで利上げを実施した」とし、金利を十分に制限的な水準にするためにやるべきことがまだあると明確にしてきたと語った。
ECBは昨年7月から合計375ベーシスポイント(bp)の利上げを実施し、6月の追加利上げを示唆している。
ラガルド氏は、一連の利上げがすでに銀行金利を「強力に」押し上げており、さらに相当の引き締めが見込まれるが、ECBは政策の伝達がどれほど強くなるのか確信がないとした。「したがってインフレ率が適切に目標に回帰しそうだと確信できるまで、利上げサイクルを継続する必要がある」と述べた。
この日発表されたユーロ圏の5月の消費者物価指数(HICP)速報値は前年比6.1%上昇と、前月の7.0%上昇から鈍化。コアインフレ率も予想以上に低下し、一部エコノミストからはECBの引き締め余地はあまり残されていないとの見方が出ている。
ただ、コアインフレ率は低下したとはいえ5.3%でECBの目標を大きく上回っている。
ラガルド氏は「基調インフレがピークに達したという明確な証拠はない」とし「ユーロ圏の労働市場はタイトだ。労働者はかなりの賃金交渉力を持ち、それを行使し始めている」と指摘した。
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