- 2023/06/02 掲載
ECB当局者、引き締め継続を条件に利上げ幅縮小で合意=議事要旨
ECBは同理事会で0.25%ポイントの利上げを決定。利上げ幅はこれに先立つ3回の理事会での0.50%ポイントから縮小したものの、ラガルド総裁は理事会後の会見で、インフレ抑制に向け利上げを「停止しない」と強調した。
議事要旨は「大部分の当局者が提案された0.25%ポイントの利上げの受け入れは可能との立場を示した。ただ、現在の見通しに基づき、一段の利上げが正当化されると強調するために明確な『方向性バイアス』を伝達しなければならない」とした。
関係筋によると、ホルツマン・オーストリア中銀総裁のみがより大きな幅での利上げに固執した。
議事要旨にこうした記述があったことで、6月だけでなく、7月の理事会での利上げも視野に入っている可能性が示された。ECBは7月の理事会での決定についてまだ示唆していないが、ドイツ、オランダ、アイルランドなどの中央銀行総裁は、賃金コストを主因とするサービス業を中心とした持続的な物価上昇を踏まえると7月も行動する必要があるとの考えを示している。
議事要旨は「『勝利宣言』を行ったり、インフレ見通しに慢心したりする条件は整っていないと感じられた」とし、「利上げ幅の縮小で引き締めサイクルの一時停止に道が開かれたと解釈するべきではないと強調された」としている。
市場では現在、6月の理事会での利上げは完全に織り込み済み。その後はあと1回の利上げが7月、または9月に実施され、夏の終わりには政策金利は3.75%に達すると予想されている。
関連コンテンツ
関連コンテンツ
PR
PR
PR