- 2023/06/06 掲載
ECB、物価抑制にあと数回の利上げ必要=独連銀総裁
欧州連合(EU)統計局が今月1日に発表したユーロ圏の5月の消費者物価指数(HICP)速報値は前年比6.1%上昇と、前月の7.0%上昇から鈍化。食品、エネルギー、アルコール、たばこを除いたコアインフレ率も5.3%と、5.6%から鈍化した。
ナーゲル総裁は講演で「あと数回の利上げが必要というのが現時点での見解だ」とし、「金利が今夏にピークに達するかは定かではない」と指摘。ユーロ圏の5月のコアインフレ率が予想以上に鈍化したものの大きな進展とは見なさず、「基調的な物価圧力は極めて高く、今のところ衰える兆しはほとんどない」と述べた。
その上で、金利がピークに達した後は、物価上昇率が「近い将来」にECBが目標とする2%に戻ることが確実になるまで、金利は安定的に維持されなければならないと語った。
ドイツ経済については、年初の景気後退にもかかわらず、慎重ながらも楽観視していると述べた。
多くのECB政策担当者は利上げは最終局面に入っており、政策金利はターミナルレート(最終到達点)に近づいているとの見方を表明。こうした中、ナーゲル総裁のこの日の発言はECBの26人の理事の中で最もタカ派的で、ECBの政策金利は7月に3.75%でピークに達した後は来年に低下し始めるとの市場の観測に疑問が出てくる可能性がある。
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