- 2023/06/20 掲載
午後3時のドルは小幅高142円付近、米金利上昇で買い戻し優勢
「5・10日(ごとおび)」のきょうは仲値にかけて実需のドル買いが入り、一時142.26円付近と昨年11月以来の高値を更新した。国内輸出企業の売りがあまり見られなかった上、「買い遅れや140円台に乗せたことで(為替予約の)保有していたオプションが消滅してしまった国内輸入企業も増えてきており、ドル需要が強い」(国内銀)との声が聞かれた。
しかし、鈴木俊一財務相など日本の閣僚から円安けん制発言が相次いだことや、日経平均株価の下落でクロス円を中心に円買い圧力が強まった。また「142円前半で上値の重さが意識され、いったん調整売りが出た」(別の国内銀)との見方が出るなど、ドルは一時141.59円付近まで下落した。
みずほ銀行のチーフマーケットストラテジスト、鈴木健吾氏は、足元のドル/円の勢いやモメンタムは上方向であるものの、「米利上げについて市場の織り込みは年内1回にとどまっているほか、更なる追加利上げとなれば景気減速懸念から米金利上昇は見込みづらい状況。また日銀によるイールドカーブ・コントロール(YCC)修正を巡る思惑も根強い」とし、145円を超えて昨年の150円に上昇するのは難しいとの見方を示す。
一方で、「年内の米利下げ観測の後退を背景にドルは下がりにくい」(りそな銀行の総合資金部市場トレーディング室、田中春菜氏)との声も聞かれる。
ドルはその後、時間外取引の米2年債利回りが4.73%付近、米10年債利回りが3.79%付近と、前週末対比で小幅に上昇したことを受けて142円前半まで買い戻された。
豪ドルは96円半ばと朝方の97円前半から約1円近く下落。オーストラリア準備銀行(中央銀行)が公表した6月理事会の議事要旨で、市場にとって予想外だった利上げが「微妙なバランスの議論」の結果だったことが判明すると、想定程タカ派的ではなかったと受け止められ、豪ドル売りが強まった。
ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円
午後3時現在 142.04/06 1.0923/27 155.19/23
午前9時現在 141.89/91 1.0922/26 154.99/03
東京午後5時 141.84/85 1.0929/30 155.02/06
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