- 2023/06/21 掲載
米住宅着工件数、5月は1年1カ月ぶり高水準
[ワシントン 20日 ロイター] - 米商務省が20日発表した5月の住宅着工件数(季節調整済み)は年率換算で前月比21.7%増の163万1000戸と昨年4月以来、1年1カ月ぶりの高水準となった。
建設許可件数も増加し、米連邦準備理事会(FRB)の一連の急速な利上げによる打撃を受けて落ち込んでいた住宅市場が底打ちした可能性を示唆した。
着工件数は南部・中西部・西部で2桁の伸びを示したが、北東部では19%近く減少した。
一戸建ての着工件数は18.5%増、5戸以上の集合住宅の着工件数は28.1%増となった。
ネーションワイドのシニアエコノミスト、ベン・エアーズ氏は「住宅着工データは不安定な傾向があり、今後数カ月で下方修正される可能性がある。ただ、増加幅の大きさは建設業者が今夏に幅広く事業を拡大していることを示唆している」と述べた。
住宅建設許可件数は5.2%増の149万1000件と、昨年10月以来の高水準となった。北東部の27.1%増がけん引した。一戸建ての建設許可件数は4.8%増、集合住宅の建設許可件数は7.8%増だった。
一方、全米住宅建設業者協会(NAHB)/ウェルズ・ファーゴ住宅建設業者指数は6月に改善し、悪化の分岐点となる50を2022年7月以来、11カ月ぶりに上回った。中古住宅の供給不足が新築住宅建設を後押ししている。同指数は12月以降、77%回復している。
米抵当銀行協会(MBA)のデータによると、米国で広く利用されている期間30年の住宅ローン固定金利は直近週の平均で6.77%と、22年11月に付けた7%超からいくらか低下した。一方、金融機関による与信厳格化の動きは、建設業者が住宅を新築する上で逆風になる可能性がある。
NAHBのアリシア・ヒューイ会長は「建設業者や開発業者向け融資の承認は昨年より難しくなっており、最終的には供給の減少につながるだろう」との見解を示した。
FRBは22年3月以降に政策金利を5%引き上げてきたが、影響を評価するために今月の連邦公開市場委員会(FOMC)では利上げを見送った。ただ、インフレ率が依然高過ぎる中で、7月の会合では利上げを決める可能性が高い。
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