ＥＵ域内銀の英清算機関利用制限案、独連銀・仏ＢＮＰパリバが懸念

[ロンドン ２０日 ロイター] - ドイツ連邦銀行（中央銀行）当局者とフランス金融大手ＢＮＰパリバ幹部は２０日、欧州連合（ＥＵ）の銀行がデリバティブ（金融派生商品）取引で英国の清算機関を利用するのを制限する案について、域内の顧客に損害を与えないよう慎重な調整が必要との見解を示した。

ＥＵは英国の離脱に伴い、ユーロ建てデリバティブ取引の決済で英国への過度な依存を減らすため、ＥＵの清算機関に「アクティブ口座」を開設し英国での清算の一部を域内に移すことを銀行に求める法案を提案している。

ＢＮＰパリバの証券サービス部門広報責任者、アルーン・ブシェタ氏は、アクティブ口座は競争を促進するが、厳しい基準を設ければ、域内顧客の財務状況悪化につながる恐れがあると指摘した。

ドイツ連銀の清算関連専門家、ジュリア・フローリッチ氏は、英清算機関に対する大規模なエクスポージャーはＥＵの金融安定性を損なう恐れがあるほか持続不可能なことから、ロンドンから清算をシフトするインセンティブが必要だと述べた。