- 2023/06/21 掲載
牛尾治朗氏死去、92歳=元経済同友会代表幹事
ウシオ電機創業者で経済同友会の代表幹事も務めた牛尾治朗(うしお・じろう)氏が13日に誤嚥(ごえん)性肺炎のため死去した。92歳だった。財界きっての論客として、政界にも影響力があった。葬儀は近親者で行った。後日お別れの会を行うが、日時・場所は未定。
兵庫県出身。東大法学部卒業後、銀行勤務を経て家業の牛尾工業に入社。1964年に自ら設立したウシオ電機を、ハロゲンランプなど産業用特殊光源の専門メーカーに育て上げた。会長に就いた翌80年には東証1部上場を果たした。
28歳で経済同友会に入会し、69年には日本青年会議所会頭に就任。「財界の老害」や「安閑としたもたれ合い経営は、企業内に『内ゲバ』を招く」などの刺激的発言で話題を呼び、「財界の青年将校」の異名を取った。
95~99年の経済同友会代表幹事時代に「市場主義宣言」を出し、民間主導型の経済実現に向け、小さな政府や規制緩和を提唱。2001年1月には政府の経済財政諮問会議の民間メンバーに選ばれ、06年9月に退任するまで「財界の重鎮」として小泉純一郎首相(当時)の構造改革を支えた。
このほかKDDI会長、社会経済生産性本部会長、日本郵政社外取締役などを歴任。既成概念にとらわれず、スマートなたたずまいから、文化、芸術の分野でも幅広い交友関係があった。
【時事通信社】 〔写真説明〕牛尾治朗氏
関連コンテンツ
関連コンテンツ
PR
PR
PR