- 2023/06/23 掲載
米当局が準備する銀行資本強化案、業界から反発
連邦準備理事会(FRB)などの当局は、2007─09年の金融危機を受けてバーゼル銀行監督委員会が合意した国際資本基準を順守するための規制案策定の最終段階に入っている。
業界側が特に懸念しているのは、クレジットカードや投資銀行サービスの手数料など、非金利収入にかかる資本要件の強化だ。非金利収入の比率が高い銀行のリスクを当局が過大に見積もっているとして、内容の緩和を要求。具体的には、新たな資本要件の適用対象となる資産の比率に上限を設けるよう求めている。
バーゼル委員会が基準に合意したのは何年も前だが、米当局は地銀の破綻が相次いだ3月の銀行危機後に規制案の策定を始めた。資本規則の抜本的見直しに着手したバーFRB副議長(金融規制担当)の下、最初の主要な規則案となる。
ブローカー企業BTIGのアイザック・ボルタンスキー氏は、提案は「昨年末にはだれも予想しなかったほど懲罰的なものになりそうだ」と述べた。
業界幹部らは、銀行破綻は経営の失敗や流動性問題に起因するものであり、金融システム全体の資本は既に潤沢だと訴えている。また、投資家が銀行業界や経済全体の健全性に不安を募らせている現状で資本規制を厳格化すれば、かえって銀行を圧迫して貸し出しが阻害されるとの懸念もある。
FRBは通貨監督庁(OCC)および連邦預金保険公社(FDIC)と協力して規則案を策定中。関係者らによると今月中に案を公開したい意向だったが、7月にずれ込む見通しとなっている。
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