- 2023/07/03 掲載
イエレン米財務長官、6─9日に訪中 中国高官と会談へ
[ワシントン 2日 ロイター] - イエレン米財務長官が今月6─9日に中国を訪れ、中国政府高官と会談する。財務省高官が2日、匿名を条件に記者団に明らかにした。どの高官と会談するかは言及を避けた。スパイ行為の摘発を強化する改正「反スパイ法」への米国の懸念など幅広い問題について話し合うという。
高官は、イエレン氏の訪中は、米中の対話深化、関係の安定化、意見の相違が生じた際の衝突リスク最小化に向けたバイデン政権の取り組みの一環だと語った。
イエレン氏は中国の新しい経済チームに対し、米国は中国に対する的を絞った行動を通じて人権と国家安全保障上の利益を守り続ける一方、多くの国が直面する気候変動や債務問題などの緊急課題については、中国と協力したいと伝える予定だ。
先の高官は「米政府は中国との健全な経済関係を求めており、米中経済のデカップリングを求めていない。貿易と投資の全面的な停止は、両国と世界経済を不安定にさせるだろう」と語った。
別の政権関係者はロイターに対し、イエレン氏は中国の何立峰副首相に会う予定だと語った。
先の高官は、イエレン氏が訪中で、中国による「経済的強制」や不公正な経済慣行に米国が同盟国とともに対応しつつ、自国の競争力を強化するという決意を強調するとの見方を示した。
また、中国の改正「反スパイ法」と、中国で活動する外国企業や米企業への影響については明らかな懸念があるとし「中国当局がスパイ活動とみなす範囲を拡大しかねないという懸念を持っている」と指摘した。
米財務省当局者は、イエレン氏訪中で「大きな事態打開」は見込んでいないものの、中国の新しい経済チームと建設的な対話を行い、副閣僚レベルも含めて長期的な対話チャンネルを構築することを望んでいるという。
米政府はまた、イスラム教徒少数民族のウイグル族に対する中国の人権侵害や、中国による米半導体大手マイクロン・テクノロジー製品の調達禁止措置、外資系デューデリジェンス・コンサルティング会社に対する中国の取り締まりについても、改めて懸念を表明する見込み。
イエレン氏は、中国の特定重要分野に対する米企業の投資を制限する大統領令についても、中国当局者と話し合うとみられる。
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