ドイツ、24年予算の草案承認　新規借り入れは憲法規定内に

[ベルリン ５日 ロイター] - ドイツ財務省は５日、２０２４年予算案の初案と２７年までの財政計画が閣議で承認されたと明らかにした。新型コロナウイルス禍とウクライナ戦争への対応で膨らんだ歳出の抑制に取り組む中、新規借り入れを憲法で定める上限内に削減する内容などを盛った。

リントナー財務相は記者団に対し「財政の現実に沿う予算案を承認した」と説明。「拡張的な財政政策という危機局面に終止符を打つ」と述べた。

財政赤字を対国内総生産（ＧＤＰ）比０．３５％以内に制限することを憲法で定めた「債務ブレーキ」に従い、２４年の新規純債務は１６６億ユーロ（１８１億ドル）とする。

この規定は、コロナ禍やロシアのウクライナ侵攻を受けたエネルギー高騰による経済への影響を和らげるため、２０─２２年は停止されていた。

ドイツはＧＤＰの２％を国防費に充てる北大西洋条約機構（ＮＡＴＯ）の目標を２４年に満たす計画で、今回の予算案では各省の中で国防省が唯一、歳出削減の対象にならなかった。

リントナー氏の初案を受け、政府は詳細な予算案を８月中旬までに下院に送る必要がある。