- 2023/07/07 掲載
メタの「スレッズ」、ツイッターの大きな脅威に アナリストは高評価
「ツイッターキラー」と称されるスレッズは、提供開始から7時間で登録者が1000万人に達した。タレントのキム・カーダシアンさんから3つ星シェフのゴードン・ラムゼイさんまで、セレブも続々と登録した。
チャップマン大のマーケティング学教授、ニクラス・マイハー氏は「図ってか図らずしてか、メタによるスレッズの提供開始はツイッターを打倒するのに完璧なタイミングでやってきた」と語る。ツイッターのオーナー、イーロン・マスク氏が、閲覧できる投稿数を制限して混乱を巻き起こした直後だったからだ。
「スレッズは巨大なユーザーベースを持つインスタグラムのプラットフォーム上に築かれているため、好スタートを切るだろう。ユーザーがスレッズに慣れてくれば、広告主もすぐに付いてくるだろう」という。
スレッズのユーザーはインスタグラムのプロフィールを使って登録できる。インスタの月間アクティブユーザー20億人が、簡単にスレッズアカウントを追加できるというわけだ。
これに対し、マスク氏によるツイッター買収前の発表によると、ツイッターの月間アクティブユーザーは昨年5月時点で2億2900万人にとどまっている。
やはりツイッターに似たアプリ、「マストドン」の月間アクティブユーザーは、同社サイトによると170万人だ。
メタは写真・動画共有アプリ「スナップチャット」や短編動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の重要な機能を、インスタの「ストーリーズ」や「リールズ」に取り入れて成功した実績があり、スレッズはそうした事例を想起させるとアナリストは言う。
スレッズの提供開始を受け、少なくとも証券会社4社がメタ株の目標価格を引き上げた。
インタラクティブ・インベスターの投資責任者、ビクトリア・スカラー氏は「障害は待ち受けているだろうが、当初の登録者数の多さが示す通りスレッズが成功するようなら、メタ株の支援材料になり得る」と語った。
スレッズは100カ国以上で入手可能だ。
「スレッズ」という言葉はツイッターでも「トレンド」ワードに上り、多くのユーザーがツイッターにスレッズアカウントへのリンクを投稿。2012年以来初めてツイートしたメタのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)を初め、スレッズに関するミーム(ネタ画像)を投稿したユーザーも多かった。
スレッズにはまだツイッター同様の機能がそろっておらず、今は「試し打ち」の段階にすぎない。
例えばスレッズには「ハッシュタグ」やキーワード検索機能が無いため、ユーザーはツイッターのようにリアルタイムで情報を追うことができない。ダイレクトメッセージ機能も未装備で、企業組織などが多く利用するデスクトップ版もない。
フォローしているユーザーの投稿だけを表示するフィードが必要だとの指摘もある。現状では、ユーザー自身が主要フィードを管理することはほとんどできない。
それでも総じて見ればアナリストらは、ツイッターの強力なライバルが登場したとして歓迎している。ツイッターはマスク氏による買収以来、同氏による唐突な決定によって大揺れになっているからだ。
ザッカーバーグ氏はスレッドに「10億人を超える人々が公に対話するアプリがあってしかるべきだ。ツイッターにはそのチャンスがあったが、成功しなかった。われわれができると期待している」と投稿した。
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