ＦＲＢの新決済システム、銀行の資金流出リスクに対応＝地区連銀総裁

[ニューヨーク １２日 ロイター] - 米クリーブランド地区連銀のメスター総裁は１２日、連邦準備理事会（ＦＲＢ）が導入を計画する新たな即時資金決済サービス「ＦｅｄＮｏｗ」について、銀行にストレスが発生した場合に金融の安定性確保に役立つよう設計されていると述べた。全米経済研究所（ＮＢＥＲ）の会議で講演した。

メスター氏はＦｅｄＮｏｗが金融機関からの迅速な資金引き出しを容易にすることで事実上、取り付け騒ぎを助長しかねず、銀行の問題を悪化させる可能性があるという懸念に認識を示した。

送金に制限を設けるかどうかはＦｅｄＮｏｗのユーザー次第になるとし、銀行には一定期間に移動できる金額を制限したり、システムの利用者を制限したりするなど「大量の預金流出抑制に使用できるツールがある」と述べた。

また、ＦｅｄＮｏｗはＦＲＢの窓口貸出制度が利用できない週末に民間からの資金調達を可能にし、預金流出の影響軽減につながるという。

メスター氏は金融政策についてはコメントしなかった。