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  • 焦点:英インフレ沈静化の兆し、ポンド上昇にも陰りか

  • 2023/07/20 掲載

焦点:英インフレ沈静化の兆し、ポンド上昇にも陰りか

ロイター

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[ロンドン 19日 ロイター] - 英国のインフレ率にようやく沈静化の兆しが生じ、主要7カ国(G7)通貨の中で今年最も上昇していたポンドへの追い風がやんだ。

19日の市場で、ポンドはドルに対して3月以来で最も急激に下落し、英国債利回りも急低下した。一方、英国の優良株は、金利に敏感な住宅関連株を中心に急騰した。

外為市場では、投機筋によるポンドの買い持ちポジションが2014年以来最大にまで膨らんでいたため、急落は驚くにあたらないかもしれない。

19日に発表された6月の英消費者物価指数(CPI)前年比上昇率は7.9%で、5月の8.7%から予想以上に鈍化した。

イングランド銀行(BOE、英中央銀行)が政策金利を6%超まで引き上げるとの観測は、これによってほぼ完全に消え、それに伴ってポンドも少し輝きを失った。

ABNアムロのシニア通貨ストラテジスト、ジョージェッテ・ボール氏は「われわれの見方では、見通しの調整がさらに進みそうだ。その結果、恐らくポンドは今年、特にドルに対して圧迫されるだろう」と語った。

同社はポンドが現在の1ポンド=1.29ドルから、年末までに1.25ドルに下がると予想している。

投資家はこれまで一貫して、BOEがインフレ退治で後手に回っており、米国などが利上げを休止した後も利上げを続けると考えてきた。

市場は今、BOEの政策金利が5.75―6.0%でピークを迎えることを織り込むようになった。それでも、ピーク金利が5.4%前後と予想されている米国に比べればリターンの妙味は残る。

BNYメロン・インベストメント・マネジメントのセバスチャン・ビスマラ氏は「BOEの仕事は終わっていない。賃金伸び率もサービス価格のCPI上昇率も、BOEが5月に予想した水準を上回っている。しかもインフレ率が転換点を迎えた兆しはまだ暫定的なものであり、金利はさらに上昇するだろう」と語った。

英国のインフレ率は依然としてG7諸国の中で最も高い。米国は3%、ユーロ圏は5%だ。

エネルギー価格こそ急低下したものの、住宅ローン金利は急上昇しており、生鮮食品のインフレ率はなお2桁台と、英国家庭の生計費危機を深刻化させている。

<最強通貨の座を譲る>

ポンドは年初に比べ、ドルに対してなお7%近く上昇している。ただ19日のCPI発表後に急落したことで、先進諸国の中で今年対ドル上昇率が最も高い通貨はスイスフラン(約8%)に代わった。

ポンドは同日、一時1ポンド=1.2898ドルまで下げた。2年物英国債利回りは0.25%幅ほど下げて4.84%前後となった。この下げ幅も3月以来で最も大きい。

これまでポンドの最大の支援要因は、金利差の拡大だった。英米の10年物国債の金利差はわずか1週間前に65ベーシスポイントと、2009年初頭以来の最大水準まで拡大していた。

マネーコープのジョゼフ・カルナン氏は「ひとたびインフレが収まり、インフレ率が十分急速に低下するようなら、ポンドもそれにつれて下がるだろう。その可能性に備える必要がある」と語った。

(Amanda Cooper記者、 Dhara Ranasinghe記者)

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