- 2023/07/26 掲載
英中銀、量的緩和策で1500億ポンド強の損失と試算
この損失は政府支出による穴埋めが必要になる。英政府の財政は政策金利とインフレ率の上昇によって逼迫しており、スナク首相が率いる保守党のメンバーは24年に実施されることが濃厚な総選挙を控えて減税を望んでいる。
英中銀は短期的には、政府が英中銀に対して23―25年にそれぞれ年間400億ポンド程度を支出することになると予想している。
世界金融危機後の景気刺激策として09年に始まったQEの条件は、英中銀が買い取った国債の利払いを英財務省が事実上取り戻すというものだった。一方、英中銀の将来の損失を補償することで合意していた。
英中銀は09年から22年にかけて英政府に1240億ポンドを支払った。これは英中銀が購入した国債の金利収入と、国債を購入した銀行から預かった現金に対して支払ったゼロ近辺の金利との差額に相当する。
英中銀の試算は金融市場の政策金利見通しの変化や、09年から21年にかけて購入した総額8750億ポンドの英国債をどの程度のペースで売却するかに大きく左右される。
英中銀はこれまでに英国債の保有残高を8000億ポンド強まで減らしてきた。英中銀は、保有残高を現在の目標の年間800億ポンドずつ減らし続けると想定している。
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