- 2023/08/02 掲載
NY外為市場=ドル上昇、やや強い指標受け 円は3週間ぶり安値
[ニューヨーク 1日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為市場ではドルが主要通貨に対して上昇した。ISM製造業景気指数や建設支出など、比較的堅調な経済指標を受けた。円相場は、日銀による長短金利操作(イールドカーブ・コントロール=YCC)の運用柔軟化が引き続き重しとなり、3週間ぶりの安値を付けた。
米供給管理協会(ISM)が1日発表した7月の製造業景気指数は46.4と、2020年5月以来の低水準だった前月の46.0から改善した。
6月の建設支出(季節調整済み)は年率換算で前月比0.5%増えた。一戸建て住宅と集合住宅の双方で建設支出が増加した。
一方、6月の雇用動態調査(JOLTS)は、求人件数が3万4000件減の958万2000件と、2021年4月以来2年超ぶりの低水準となった。ただ、一連の米利上げにもかかわらず、依然として労働市場の逼迫を示す水準を維持した。
ドルは当初この指標を受けて下落したが、その後上げに転じた。
みずほ証券USA LLCのチーフエコノミスト、スティーブン・リッキート氏は、「ISMがややプラスである一方、JOLTSの数字が必ずしも好ましくなかったことで、市場はどうしていいかわからない状況になった」と指摘した。
ドル指数は0.344%上昇し、3週間ぶりの高値となった。
日銀が大規模金融刺激策からの緩やかな転換を決めた28日以降、円相場は乱高下している。OANDA(ニューヨーク)のシニアマーケットアナリスト、エド・モヤ氏は「日本のYCC政策の調整が年内の焦点になるだろう」と述べ、誰もが、日銀からいつタカ派的な強いシグナルが出るのかを注視しているとした。
円は0.75%安の1ドル=143.38円。
豪ドルは1.61%急落し、1豪ドル=0.661米ドル。下落幅は3月上旬以来、1日としては最も大きなものとなる見込み。
オーストラリア準備銀行(中央銀行)は1日、前月に続き政策金利のオフィシャルキャッシュレートを4.10%に据え置いた。インフレ抑制に向け幾分の追加引き締めが必要になる可能性もあるとの見方は維持した。
ユーロは0.12%下落の1.098ドルとなった。
英ポンドは0.49%下落し1.2774ドル。市場では現在、イングランド銀行(英中央銀行、BOE)が3日の金融政策委員会で25ベーシスポイント(bp)の利上げを実施する確率を60%とみている。
ドル/円 NY終値 143.32/143.35
始値 142.72
高値 143.54
安値 142.74
ユーロ/ドル NY終値 1.0982/1.0986
始値 1.0980
高値 1.0988
安値 1.0953
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