- 2023/08/02 掲載
NY市場サマリー(1日)ドル上昇、利回り上昇 株まちまち
<為替> ドルが主要通貨に対して上昇した。ISM製造業景気指数や建設支出など、比較的堅調な経済指標を受けた。円相場は、日銀による長短金利操作(イールドカーブ・コントロール=YCC)の運用柔軟化が引き続き重しとなり、3週間ぶりの安値を付けた。
一方、6月の雇用動態調査(JOLTS)は、求人件数が3万4000件減の958万2000件と、2021年4月以来2年超ぶりの低水準となった。ただ、一連の米利上げにもかかわらず、依然として労働市場の逼迫を示す水準を維持した。
ドルは当初この指標を受けて下落したが、その後上げに転じた。
ドル指数は0.344%上昇し、3週間ぶりの高値となった。
日銀が大規模金融刺激策からの緩やかな転換を決めた28日以降、円相場は乱高下している。OANDA(ニューヨーク)のシニアマーケットアナリスト、エド・モヤ氏は「日本のYCC政策の調整が年内の焦点になるだろう」と述べ、誰もが、日銀からいつタカ派的な強いシグナルが出るのかを注視しているとした。
円は0.75%安の1ドル=143.38円。
豪ドルは1.61%急落し、1豪ドル=0.661米ドル。下落幅は3月上旬以来、1日としては最も大きなものとなる見込み。
オーストラリア準備銀行(中央銀行)は1日、前月に続き政策金利のオフィシャルキャッシュレートを4.10%に据え置いた。インフレ抑制に向け幾分の追加引き締めが必要になる可能性もあるとの見方は維持した。
ユーロは0.12%下落の1.098ドルとなった。
英ポンドは0.49%下落し1.2774ドル。市場では現在、イングランド銀行(英中央銀行、BOE)が3日の金融政策委員会で25ベーシスポイント(bp)の利上げを実施する確率を60%とみている。
NY外為市場:[USD/J]
<債券> 米債利回りが上昇した。30年債利回りは年初来の最高水準を更新した。経済活動の鈍化を示すデータが発表されたにもかかわらず、国債発行が増加するとの見方や経済の底堅さを示す兆候が増えるとの期待を受けた。
米供給管理協会(ISM)が1日発表した7月の製造業景気指数は46.4と、2020年5月以来の低水準だった前月の46.0から改善した。
一方、米労働省が1日発表した6月の雇用動態調査(JOLTS)は、求人件数が3万4000件減の958万2000件と、2021年4月以来2年超ぶりの低水準となったが、一連の米利上げにもかかわらず、依然として労働市場の逼迫を示す水準を維持した。
OANDAのシニアマーケットアナリスト、エドワード・モヤ氏は「労働市場が引き続き弱含み、製造業は底を打ちつつあり、大半のデータは連邦準備理事会(FRB)にとって良いニュースとみなすことができる。これはディスインフレが進行しているという考えを裏付ける」と指摘。ただ米経済の耐性が強く、年後半のディスインフレ進行の支障になるかもしれないとした。
米10年債利回りは4.047%と前日の水準を9ベーシスポイント(bp)上回った。2年債利回りは4bp上昇の4.912%となった。
2・10年債の利回り格差はマイナス86.5bpと。マイナス幅が7月中旬以降で最小となった。
30年債利回りは昨年11月以来の高水準となる4.104%を付けた。
利回りは1日の経済指標発表を受けて低下したが、その後切り返した。米財務省による国債入札の詳細発表を控え投資家が弱気な見方を維持した。今回の発表では入札規模が拡大する可能性があるという。
バークレイズのアナリストはメモで、最新の資金調達に関する予測は今後数四半期の国債発行などが急増することを示唆しているとした。
日銀による長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)の運用柔軟化も利回りを下支えしているという。
トゥルーイスト・アドバイザリー・サービスの債券担当マネジングディレクター、チップ・ヒューイ氏は「日本の国債利回りが上昇する可能性があるため、米国では利回りの再調整が必要になるかもしれない。新たな均衡の模索が、今後数カ月にわたって繰り広げられるだろう」と述べた。
米金融・債券市場:[US/BJ]
<株式> S&P総合500種とナスダック総合が反落して終了した。市場では週内に発表される大手企業の決算や米雇用統計が注目されている。
予想を上回る企業決算や景気のソフトランディング(軟着陸)期待による最近の株高でS&P総合500種は2022年1月3日に付けた終値での史上最高値まであと5%弱に迫っている。
主要株価指数のうちダウ工業株30種は続伸。第2・四半期決算が増益だった重機のキャタピラーが8.9%上昇したことが寄与した。ただ、第3・四半期の売上高と営業利益率が前期に比べ減少するとの見通しを示した。
配車大手ウーバー・テクノロジーズは5.7%下落。第2・四半期の売上高が市場予想に届かなかった。
製薬大手ファイザーは不安定な動きとなり、小幅安で引けた。新型コロナウイルスワクチンと治療薬の販売低迷が響き、第2・四半期売上高が市場予想を下回った。
米供給管理協会(ISM)が発表した7月の製造業景気指数は低い水準ながらも前月から上昇。新規受注が徐々に改善した。ただ、雇用指数は約3年ぶりの低水準となり、人員削減が加速している可能性を示した。
テスラやアマゾンなど金利に敏感な大型グロース(成長)株が下落。米10年債利回りが4%を超える水準に上昇したことを受けた。
米国株式市場:[.NJP]
<金先物> ドル高や米長期金利の上昇を背景に売りが優勢となり、反落した。中心限月12月物の清算値(終値に相当)は、前日比30.40ドル(1.51%)安の1オンス=1978.80ドル。
NY貴金属:[GOL/XJ]
<米原油先物> ドル上昇に伴う割高感の強まりなどをきっかけに利益確定の売りが台頭し、4営業日ぶりに反落した。米国産標準油種WTIの中心限月9月物の清算値(終値に相当)は、前日比0.43ドル(0.53%)安の1バレル=81.37ドル。10月物は0.40ドル安の80.92ドルだった。
NYMEXエネルギー:[CR/USJ]
ドル/円 NY終値 143.32/143.35
始値 142.72
高値 143.54
安値 142.74
ユーロ/ドル NY終値 1.0982/1.0986
始値 1.0980
高値 1.0988
安値 1.0953
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 91*26.50 4.1025%
前営業日終値 93*07.50 4.0160%
10年債(指標銘柄) 17時05分 94*22.00 4.0371%
前営業日終値 95*10.00 3.9570%
5年債(指標銘柄) 17時05分 99*17.50 4.2265%
前営業日終値 99*24.25 4.1790%
2年債(指標銘柄) 17時05分 99*22.63 4.9058%
前営業日終値 99*24.50 4.8740%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 35630.68 +71.15 +0.20
前営業日終値 35559.53
ナスダック総合 14283.91 -62.11 -0.43
前営業日終値 14346.02
S&P総合500種 4576.73 -12.23 -0.27
前営業日終値 4588.96
COMEX金 12月限 1978.8 ‐30.4
前営業日終値 2009.2
COMEX銀 9月限 2432.6 ‐64.6
前営業日終値 2497.2
北海ブレント 10月限 84.91 ‐0.52
前営業日終値 85.43
米WTI先物 9月限 81.37 ‐0.43
前営業日終値 81.80
CRB商品指数 280.8488 ‐1.3287
前営業日終値 282.1775
関連コンテンツ
関連コンテンツ
PR
PR
PR