- 2023/08/02 掲載
フィッチが米国債格下げ、政権は反論 「奇妙で根拠ない」
イエレン財務長官は発表直後に声明を出し、「決定に強く反対する」と表明。ホワイトハウスのジャンピエール報道官も「バイデン大統領が世界の主要経済国の中で最も強い景気回復を実現しているこの時期に、米国を格下げすることは現実を無視するものだ」と述べた。
フィッチは格下げについて、向こう3年間に予想される財政悪化に加え、一般政府債務が高水準で増加していることを反映したと説明。
また「過去20年間にわたりガバナンスの水準が着実に悪化」しており、「度重なる債務上限を巡る政治的対立と土壇場での解決により、財政管理に対する信頼が損なわれている」とした。
米国は6月、数カ月にわたる政治的駆け引きの末、31兆4000億ドルとする連邦債務上限を2025年1月まで停止したが、今回の格下げは2カ月を遅れとなった。S&Pグローバル(旧スタンダード・アンド・プアーズ)は11年に議会がこの問題で対立した際、交渉妥結から数日後に米格付けを引き下げた。
バイデン政権当局者らは、フィッチが言及したガバナンスの問題がトランプ前政権下で起きたにもかかわらず、格付けはその間もトリプルAに据え置いていたと指摘。
ある高官は「今になって下すには奇妙で根拠のない決定だ」とし、フィッチの評価基準によると米国のガバナンスはバイデン政権下で改善したと述べた。
その上で「前政権と議会共和党の無謀な行動によって引き起こされた混乱の結果、今回格付けを引き下げたのは常識に反している」とした。
同高官はさらに、現時点で市場の反応は限定的であり、11年の格下げ後に金利が低下したことも踏まえると、今回の格下げを受けて政府の借り入れコストが大幅に上昇すれば意外だと述べた。
アナリストからもタイミングを疑問視する声などが上がった。米国債市場への影響は最小限にとどまる可能性が高いとみられている。
イエレン氏は、フィッチの決定が年内の米景気後退を想定していることに関連し、経済の強靭さを無視していると指摘。「失業率は現在、歴史的な低水準に近く、インフレ率は昨年夏以降に大きく低下している。先週の国内総生産(GDP)統計も米経済が成長を続けていること示した」と述べた。
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