- 2023/08/30 掲載
マイナス金利解除しても、低位抑制なら緩和の継続=田村日銀委員
田村委員は午前の挨拶で、2%物価目標の実現が「はっきりと視界に捉えられる状況になった」と発言。現在は金融緩和の継続が適当だが、来年1―3月ごろには賃上げのすう勢や今年後半の物価動向などのデータから物価目標実現への「解像度が一段と上がる」と期待感を示していた。
会見では、物価目標の持続的・安定的な実現の見極めには「もう少し時間が必要だ」と話した。来年1―3月期に緩和の縮小が可能なのかとの質問に対しては「その時点のデータ次第」と述べた。
<金利形成、「基本的に市場に委ねることが重要」>
7月の決定会合で決めたイールドカーブ・コントロール(YCC)の運用柔軟化を受けたオペ運営について、田村委員は、基本的には市場に金利形成を委ねること、市場の流動性の回復、急激な金利変動は回避することの3点が重要だと述べた。その上で、経済・物価の状況に基づいて市場参加者が金利の適正水準を見出す機能が早く回復することを期待していると話した。
為替相場の水準については「具体的にコメントすることは差し控える」とした。金融政策は為替相場を直接のターゲットにしていないと述べ、為替相場は経済・金融のファンダメンタルズを反映して安定的に推移することがきわめて重要だと指摘した。政府とも緊密に連携しつつ、「為替市場の動向が日本経済にどういう影響を与えるのか十分注視し、それに基づいて金融政策行う」と話した。
(和田崇彦)
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