- 2023/10/27 掲載
高金利長期化で企業デフォルトのドミノ化も=英ジャナス・ヘンダーソン
[ロンドン 27日 ロイター] - 英国に拠点を置く資産運用会社ジャナス・ヘンダーソン・インベスターズは27日発表したリポートで、市場金利が数十年ぶりの高水準に跳ね上がったことに伴い、企業のデフォルト(債務不履行)が今後数年間にドミノ現象のように多発するとの見通しを明らかにした。
9月以降に国債利回りが大幅上昇し、企業の資金調達コストの上昇に再び焦点が当たっている。投資家の間では、国債利回りの持続的な高水準見通しが織り込まれており、既に社債利回りが押し上げられた。高利回り債は2月に記録した直近の最低水準が7.6%だったが、20日は9.3%に達した。
また、企業が経営破綻し金融債権や社債などの支払いができなくなった場合に備えたクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の取引でも、保険料に当たる「プレミアム」の指数が上昇。S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスによると、欧州ジャンク債は20日に3月下旬以来の高水準となる473ベーシスポイント(bp)を付けた。今年はデフォルトが多く、9月までが世界全体で118件と前年の約2倍の件数で、過去5年間の平均101件も大きく上回ったという。
ジャナスはリポートで、企業の借り換えコストが膨らむのが必至と予想。この結果、利払い能力は低下し、最終的にデフォルトの増加につながりそうだと結論づけた。同社の債券部門グローバルヘッドのジム・シリンスキー氏は「各クレジット・サイクルはそれぞれ様相が異なるが、債務の積み上がりと高金利長期化の組み合わせは企業の債務返済に重圧を加え、妥当な価格での資本アクセスを遮断しつつある」と指摘した。
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