- 2023/10/30 掲載
自動運転車が滑走路点検=国内初、南紀白浜空港で実験
南紀白浜空港(和歌山県白浜町)で、自動運転車両が滑走路を点検する実証実験が進められている。業務効率化と省人化が狙いで、空港を運営する南紀白浜エアポート(同)がNECなどと共同で実施。自動運転車による滑走路点検は国内初で、来年度には無人化での本格運用を目指す。
実験は17日に始めた。半導体などの電子部品を手掛けるマクニカ(横浜市)が運用する自動運転車にドライブレコーダーを設置し、滑走路などの制限区域内を走行。ドライブレコーダーで撮影した路面の映像を、NECと南紀白浜エアポートが共同して開発した人工知能(AI)で解析し、亀裂や損傷などをチェックする。
現在は補助要員が必要で、助手席に技術者が同乗している。今後は特定の条件下で無人の自動運転を可能とする「レベル4」相当の走行により遠隔点検を実現し、空港の柔軟な運用につなげる。
同空港では長さ2000メートル、幅45メートルの滑走路を目視で1日2回点検していた。職員によって精度が異なるなどの課題を解決するため、2021年4月から職員が画像を収集し、AIを活用して点検している。
南紀白浜エアポートによると、点検はシニア人材が担っているが、欠員補充が困難になりつつある。担当者は「(実験中のシステムを)人材確保に苦労している地方空港で活用できるようにしたい」と話している。
【時事通信社】 〔写真説明〕滑走路点検の実証実験のため、助手席に補助者を乗せて走る自動運転車=18日、和歌山県白浜町(南紀白浜エアポート提供) 〔写真説明〕ドライブレコーダーを搭載した自動運転車=23日、和歌山県白浜町
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