• 2024/05/02 掲載

国債買入の調整は時間かけて、能動的な政策手段とせず=日銀3月会合

ロイター

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Takahiko Wada

[東京 2日 ロイター] - 日銀が大規模な金融緩和の枠組みを見直した3月18―19日の金融政策決定会合では、長期国債の買い入れ額の調整について、ある委員が急激な市場変動を避ける観点から時間をかけて対応することが適当だと述べていたことが明らかになった。何人かの委員は、高水準の国債保有残高によって緩和効果は持続するものの、国債買い入れを「今後は能動的な金融政策手段としては用いないことが考えられる」と述べていた。

日銀が2日、決定会合の議事要旨を公表した。日銀は同会合でイールドカーブ・コントロール(YCC)を廃止する一方、国債の買い入れの継続を決めた。市場では、国債買い入れの減額のタイミングや手順に注目が向かっている。

時間をかけて国債買い入れを減額すべきだと主張した委員は「その間に債券市場の参加者が拡大することを期待する」と述べた。

3月会合の声明文は、国債買い入れについて「これまでとおおむね同程度の金額」で継続すると明記。4月の金融政策決定会合でも、この方針を維持した。

実際の国債の買い入れ額について、何人かの委員は「上下に多少の変動幅を持つ形で、調節部署が市場の状況に応じて柔軟に決めていくべきだ」と述べた。このうち1人の委員は「例えば上下に1―2兆円程度の幅を持って対応していくことが適当だ」と指摘した。

国債買い入れを能動的な政策手段としないと述べた委員のうちの1人は、買い入れは「長期金利の急変動を避けるという観点」から行うことにし、「その中で市場の流動性を回復しつつ、できるだけ市場に金利形成を委ねていくことが大切だ」と発言した。

<政策変更で「物価上振れリスクに対応しやすい」との声>

先行きの金融政策を巡っては、何人かの委員が、先行きの短期金利はその時々の経済・物価情勢に応じて適切に設定していくことを「現時点では緩和的な金融環境が継続するとみていることとのバランスを取りながら、情報発信していくことが重要」との見解を示した。別の委員は、経済・物価情勢に応じて「時間をかけてゆっくりと、しかし着実に金融正常化を進めることが適当だ」と述べた。

何人かの委員は、現時点では大きなリスクではないものの「経済主体の期待の非連続的な変化などによって、物価が上振れることもあり得る」と指摘。このうちの1人は「今回の対応によって、こうしたリスクが顕在化した際も、より柔軟に対応しやすくなる面がある」と述べた。

この決定会合では政府側の出席者から一時中断の申し出があり、議長を務める植田和男総裁がこれを認めた。19日午前11時39分に中断し、12時に再開した。

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