- 2025/05/21 掲載
G7、米関税の影響議論=財務相会議、21日開幕
【バンフ(カナダ西部)時事】先進7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議が21日、カナダ西部のバンフで開幕する。トランプ米政権の高関税政策が世界経済に及ぼす影響や、ロシアによる侵攻が続くウクライナへの支援について議論。2日間の討議で共同声明の採択を目指す。
日本からは加藤勝信財務相と日銀の植田和男総裁が出席予定。米関税措置による世界経済への下押し圧力が強まる中、加藤氏は日米交渉で焦点となっている自動車や鉄鋼・アルミニウムを含む一連の関税措置の速やかな見直しをG7会議でも改めて求めるとみられる。
加藤氏は日本時間20日の閣議後記者会見で「米国の関税措置を含め各国と率直な意見を交換し、日本の立場をしっかりと表明したい」と強調。会議に合わせ、ベセント米財務長官と個別協議を開く方向で調整しているとも説明し、「為替を含め2国間の諸課題、諸問題について議論を行いたい」と述べた。
米政権は巨額貿易赤字の削減を目指して高関税政策を発動した。他のG7参加国は高関税には反対しているが、国際的な貿易不均衡を是正する必要性では一致している。特に大幅な貿易黒字国の中国による、多額の補助金を投じた過剰生産が他国の産業基盤を脅かしているとして、その対抗策も議論される見通しだ。米政権が「保護主義」に傾く中、自由貿易体制を推進してきたG7の枠組みを維持できるかが焦点となる。
21日には、ウクライナのマルチェンコ財務相も交え、停戦後を見据えた復興支援などを議論。会議に先立ち、20日には同氏が記者団の取材に応じる見通しだ。
このほか会議では、マネーロンダリング(資金洗浄)やテロ資金への対策など議長国カナダが重要視する金融犯罪の取り締まり強化についても議題に上る見通しだ。
【時事通信社】 〔写真説明〕記者会見する加藤勝信財務相=20日午前、財務省
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