• 2025/05/21 掲載

NY市場サマリー(20日)ドル弱含み、長期利回り小幅高 株反落

ロイター

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<為替> 米ドルが弱含んだ。米連邦準備理事会(FRB)当局者による経済に関する慎重な発言が重しとなった。市場は、通貨問題を含む可能性のある日米協議に注目している。

トランプ大統領が減税案に対する共和党内の反対派議員の説得に苦戦していることもドル安圧力となった。UBSのFXストラテジスト、ヴァシリ・セレブリアコフ氏は「基本的な傾向はまだドル売りだ。その傾向は変わっていない」と述べた。

複数のFRB当局者はこの日、トランプ政権の貿易政策が経済に与える影響についての懸念を重ねて表明した。米セントルイス地区連銀のムサレム総裁は、米中貿易摩擦の緩和後も米国の労働市場は弱まり、物価は上昇する可能性が高いとの見方を示した。

午後の取引で、ドル/円は下落し、約2週間ぶりの安値となる144.095円を付けた。終盤は0.2%安の144.495円。

トレーダーの注目を集めているのは、加藤財務相とベセント米財務長官との会談だ。両氏は、カナダで開催される主要7カ国(G7)財務相会合の際に会談する予定。

一方、オーストラリアドルは対米ドルで0.6%安の0.6416米ドルとなった。オーストラリア準備銀行(中央銀行)は20日、政策金利のオフィシャルキャッシュレート(OCR)を4.10%から25ベーシスポイント(bp)引き下げ、2年ぶりの低水準となる3.85%とした。

英ポンドは0.2%高の1.3387ドル。

ユーロ/ドルは0.3%上昇し1.1279ドルとなった。スイスフランは強含み、ドルに対し0.6%高の0.8295フランとなった。

<債券> 長期ゾーンの国債利回りが小幅上昇した。議会で審議中の減税法案により米国の財政赤字が予想よりも速いペースで悪化するとの懸念が背景にある。

トランプ大統領は20日、議会共和党議員らに対し、大規模な減税法案の可決に向けて団結するよう求めたが、数人の反対議員の説得に苦戦を強いられているもよう。

TDセキュリティーズの米国金利ストラテジスト、ジャン・ネブルージ氏は「関税政策に関するあらゆる影響がデータに反映されるのを待つ中、財政政策への注目は確実に高まっている」と指摘。

ムーディーズの米国債格下げにより「議会で審議中の減税法案と財政赤字の規模に再び注目が集まっている」と述べた。

トランプ政権が一部の国と関税率の引き下げで合意する中、投資家やFRB当局者らは関税政策が最終的に経済に与える影響を見極めようとしている。

2年債利回りは1.7ベーシスポイント(bp)低下の3.966%。

指標となる10年債利回りは0.2bp上昇の4.477%。

2年債と10年債の利回り格差は51bpに拡大した。

30年債利回りは2.3bp上昇の4.965%。19日は2023年11月以来の高水準となる5.037%を付けていた。

財務省は21日に160億ドルの20年債、22日に180億ドルの10年物インフレ連動債(TIPS)の入札を行う。

<株式> 反落して取引を終えた。米政府の債務状況に注目が集まる中、米国債利回りの上昇が重しとなった。

S&P総合500種は7営業日ぶり、ダウ工業株30種は4営業日ぶり、ナスダック総合は3営業日ぶりの反落となった。

トランプ米大統領はこの日、議会共和党議員らに対し、大規模な減税法案の可決に向けて団結するよう求めた。アナリストは、この法案により連邦政府の36兆2000億ドルの債務が3兆─5兆ドル増加する可能性があると指摘している。

S&P500の主要11業種のうち8業種が下落し、エネルギー、通信サービス、一般消費財が下げを主導。一方、公益事業、ヘルスケア、主要消費財は上昇した。

市場ではセントルイス地区連銀のムサレム総裁らFRB当局者の発言にも注目が集まった。

個別銘柄ではホームセンター大手ホーム・デポが0.6%安。第1・四半期(2ー4月期)の純売上高が予想を上回ったことを受けて朝方は上昇したが、その後下げに転じた。

電気自動車大手テスラは0.5%上昇。イーロン・マスク氏が5年後も最高経営責任者(CEO)を務める意向を示した。

半導体大手エヌビディアなど大型ハイテク株は軟調だった。

<金先物> 対ユーロでのドル安などを背景に買われ、続伸した。中心限月6月物の清算値(終値に相当)は、前日比51.10ドル(1.58%)高の1オンス=3284.60ドル。

<米原油先物> 地政学的な不透明感がくすぶる中を、3営業日ぶりに反落した。米国産標準油種WTIの中心限月6月物の清算値(終値に相当)は前日比0.13ドル(0.21%)安の1バレル=62.56ドルだった。7月物は0.11ドル安の62.03ドル。

イランの最高指導者ハメネイ師は20日の演説で、同国の核問題を巡る米国との交渉について「実を結ぶとは思わず、どうなるか分からない」と懐疑的な見方を表明。両国の核合意への期待が後退する中、相場は買い先行となる場面がみられたものの、売りに押された。直近発表された軟調な中国の経済指標を受けた需要減速懸念も相場を下押した。

一方、ロシアとウクライナの停戦を巡る先行き不透明感も強く、原油の下値は堅かった。

ドル/円 NY終値 144.50/144.52

始値 144.59

高値 144.97

安値 144.44

ユーロ/ドル NY終値 1.1282/1.1284

始値 1.1244

高値 1.1285

安値 1.1224

米東部時間

30年債(指標銘柄) 17時05分 96*21.50 4.9645%

前営業日終値 97*01.00 4.9410%

10年債(指標銘柄) 17時05分 98*04.00 4.4850%

前営業日終値 98*06.50 4.4750%

5年債(指標銘柄) 17時05分 99*04.25 4.0700%

前営業日終値 99*02.75 4.0810%

2年債(指標銘柄) 17時05分 99*18.88 3.9705%

前営業日終値 99*18.13 3.9830%

終値 前日比 %

ダウ工業株30種 42677.24 -114.83 -0.27

前営業日終値 42792.07

ナスダック総合 19142.71 -72.75 -0.38

前営業日終値 19215.46

S&P総合500種 5940.46 -23.14 -0.39

前営業日終値 5963.60

COMEX金 6月限 3284.6 +51.1

前営業日終値 3233.5

COMEX銀 7月限 3317.4 +66.7

前営業日終値 3250.7

北海ブレント 7月限 65.38 ‐0.16

前営業日終値 65.54

米WTI先物 7月限 62.03 ‐0.11

前営業日終値 62.14

CRB商品指数 298.1831 +1.9742

前営業日終値 296.2089

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