• 2025/06/12 掲載

JERA、米国産LNGを追加調達 年最大550万トン長期契約へ

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Kentaro Okasaka Yuka Obayashi

[東京 12日 ロイター] - 東京電力と中部電力が折半出資する発電国内最大手JERA(東京都中央区)は12日、年間取扱量の約16%に当たる最大550万トンの液化天然ガス(LNG)を米国の4社から調達すると発表した。データセンターの普及などで電力需要が急増する中、調達先の多様化を進める。

2030年前後から供給が始まる見込み。JERAの米国産LNGの調達量は、最大約1000万トンに増加する。バイデン前政権時の昨年4月から検討してきた案件で、トランプ現政権と関税協議を続ける日本政府にとっては対米貿易黒字削減のアピールになりうる。 ネクスト・ディケードがテキサス州で手がけるプロジェクトから年約200万トン、コモンウェルスLNGのルイジアナ州のプロジェクトから同約100万トン調達する。

また、センプラ・インフラストラクチャーのテキサス州のプロジェクトと同約150万トンで基本合意を結んだ。いずれも20年契約。さらに、シェニエール・マーケティングとも、テキサス州とルイジアナ州のプロジェクトから同最大100万トンを調達する20年以上の基本合意を結んだ。 JERAの可児行夫グローバルCEO(最高経営責任者)はロイターの取材に「思ったよりLNGの需要が落ちていかず、定期的に買っていかないと契約が切れて(取扱量が)落ちてくる。2030年代を見据え、コスト競争力や自由度が高く、いろんな所に持っていけるLNGは不可欠」と判断したと語った。 JERAは国内発電量の約3割を占める日本最大の発電会社で、LNGの年間取扱量は世界最大規模の約3500万トン。現在の調達先はアジア・オセアニアが約半分を占め、米国は10%程度と低く「リバランス」を図る狙いもある。追加調達で米国は3割近くまで増える。 今回は買い手が船を手配するFOB(本船渡し)契約で、仕向け地制限がないため、需要の変動に応じて柔軟に販売先を調整できる「自由度」(可児氏)が高い。日本の需要次第では欧州、インド、中国、東南アジア、韓国、台湾などへ販売先を調整できることが強みだ。 可児氏は「安く、競争力のあるLNGを押さえることができれば、日本のエネルギー問題には非常にぴったり合ったLNGになる。そういう議論を昨年4月から行い、リバランスをやはり今回やろうということにした」と話した。 日本政府が2月に閣議決定したエネルギー基本計画にLNG火力発電の重要性を盛り込んだことで、企業は積極的に長期の調達契約を結び始めた。九州電力は5月下旬、エナジー・トランスファーが手がけるルイジアナ州のプロジェクトから20年にわたって年最大100万トンのLNGの長期購入契約を締結すると発表した。 トランプ政権が意欲を示すアラスカ州のLNG開発計画を巡り、JERAは5月下旬、関心を表明する書面を米インフラ開発会社に送付したと報じられた。可児氏は「厳しい守秘義務があるためノーコメント」とし、長期的なプロジェクトであることから、30年前後の供給開始を見込む今回の4件とは「別物」として考えていると述べた。

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