- 2025/07/12 掲載
NY市場サマリー(11日)株価反落、ドル・利回り上昇
<為替> [ニューヨーク 11日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが円やユーロを含む主要通貨に対して上昇した。トランプ米大統領がカナダや他の主要貿易相手国に新たな関税を通告したことで、貿易摩擦を巡る懸念が再燃した。
トランプ大統領は10日、カナダから輸入される製品に35%の関税を課すとする書簡を公表した。欧州連合(EU)にも11日までに書簡が送られるとみられる。また、ブラジルに対しても50%の関税を課すと表明した。
市場は、8月1日の「相互関税」の発動期限が最終的なものかどうかについても依然として神経質になっているもよう。
ドル/円0.79%高の147.4円。週間では約2%上昇し、昨年12月序盤以来の上昇幅となる見通し。
ドルは対スイスフランでは0.79695フランと横ばいで推移した。
ユーロは0.1%安の1.1688ドルとなった。
カナダドルは対米ドルで弱含み、0.11%安の1米ドル=1.3672カナダドルとなった。
主要通貨に対するドル指数は0.28%高の97.85。それでも同指数は、年初来では約10%下落している。
英ポンドは0.54%安の1.35050ドルと、2週間ぶりの安値を付けた。英国立統計局(ONS)が発表した4月の財(モノ)の貿易統計によると、対米輸出は41億ポンド(56億ドル)と前月から20億ポンド減少した。
暗号資産(仮想通貨)のビットコインは3.7%高の11万8832ドルと、再び最高値を記録した。
NY外為市場:[USD/J]
<債券> 国債利回りが上昇した。トランプ米政権が掲げる関税措置が物価圧力に及ぼす影響を見極めるため、米連邦準備理事会(FRB)は金利を現行水準に据え置くとの見方が大勢な中、市場では来週発表される6月の米消費者物価指数(CPI)が注目されている。
金利先物市場が織り込む年末までの利下げ幅は49ベーシスポイント(bp)。FRBが利下げを再開するのは7月ではなく、9月になると予想されている。
終盤の取引で10年債利回りは7.7bp上昇の4.423%。2年債利回りは4.4bp上昇の3.912%。
2年債と10年債の利回り格差は51bpと、約3bpスティープ化した。
米金融・債券市場:[US/BJ]
<株式> 反落して終了した。トランプ米大統領が貿易相手国に新たな関税率を通知する中、米国の通商政策を巡る不確実性を一段と高まっていること重しになった。
来週はトランプ氏の二転三転する関税政策が米国の主要企業にどのような影響を及ぼしているか見極めようと、企業の四半期決算が注目されている。来週四半期決算を発表するのはJPモルガンのほか、動画配信大手ネットフリックス、医薬品大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)など。
個別銘柄では、メタ・プラットフォームズが1.3%安。欧州連合(EU)による新たな独占禁止法違反を巡る制裁金のリスクが高まった可能性があるとロイター報じたことが売りにつながった。
半導体大手エヌビディアは0.5%上昇し、過去最高値を更新。時価総額は4兆0200億ドルに達した。
食品大手クラフト・ハインツは2.5%高。同社が会社分割の準備を進めていると米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が報じたことが材料視された。
ジーンズ大手リーバイ・ストラウス(リーバイス)は11%高。四半期業績が予想を上回り、年間売上高と利益予想を上方修正したことが買い材料となった。
米株式市場全体で値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を2.8対1の比率で上回った。
米取引所の合算出来高は154億株。直近20営業日の平均は183億株。
米国株式市場:[.NJP]
<金先物> 新たな米関税措置の通知を受け貿易戦争への警戒感が高まる中、リスク回避の買 いが膨らみ、3日続伸した。中心限月8月物の清算値(終値に相当)は前日比38.30ドル(1.15%)高の1オンス=3364.00ドル。これは6月下旬以来、2週間超ぶりの高値水準。週間では、21.10ドル(0.63%)上伸した。
トランプ米大統領は10日、カナダに35%の関税を課すと通知する書簡をSNSで公表した。発動は8月1日。相互関税の通知を受けていない貿易相手国・地域に関して、 「15?20%」の税率になると示唆している。世界的な貿易戦争が拡大するとの懸念が 再燃し、投資家は「質への逃避」の金の買いを加速させた。相場は一時3380ドル近辺 まで上伸した。
米連邦準備制度理事会(FRB)による年内の政策金利引き下げ期待も、利子の付かない資産である金の支援要因。ウォラーFRB理事が10日、今月末の米連邦公開市場委員会(FOMC)で「利下げを検討することは可能」と、早期の利下げ再開に前向きな発言 をしたことがなお、材料視された。
NY貴金属:[GOL/XJ]
<米原油先物> 安値拾いの買いや需給引き締まり観測を背景に、反発した。米国産標準油種WT Iの中心限月8月物の清算値(終値に相当)は前日比1.88ドル(2.82%)高の1 バレル=68.45ドル。週間では2.16%高だった。9月物は1.66ドル高の67.04ドル。
米高関税政策に対する警戒感を受け、前日の相場は2%超安となった。その反動で、この日は安値拾いの買いが入りやすく、相場は終日プラス圏を堅調に推移した。短期的な需給引き締まり観測も相場を下支えた。
国際エネルギー機関(IEA)は11日、旅行や発電向けの利用で夏の製油所の稼働がピークを迎えることに伴う需要を背景に、世界の石油市場は見かけよりも逼迫(ひっぱく)している可能性があるとの見方を示した。 一方、ロシアのノバク副首相は11日、同国が8月から9月にかけて、石油輸出国機構 (OPEC)加盟国とロシアなど非加盟産油国で構成する「OPECプラス」の割当枠を超過した分を完全に相殺する意向だと述べたと伝わった。
NYMEXエネルギー:[CR/USJ]
ドル/円 NY終値 147.40/147.43
始値 146.79
高値 147.51
安値 146.78
ユーロ/ドル NY終値 1.1689/1.1691
始値 1.1693
高値 1.1713
安値 1.1675
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 96*26.00 4.9553%
前営業日終値 98*07.50 4.8620%
10年債(指標銘柄) 17時05分 98*21.50 4.4173%
前営業日終値 99*07.50 4.3460%
5年債(指標銘柄) 17時05分 99*17.00 3.9797%
前営業日終値 99*24.00 3.9310%
2年債(指標銘柄) 17時05分 99*23.38 3.8933%
前営業日終値 99*24.88 3.8680%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 44371.51 -279.13 -0.63
前営業日終値 44650.64
ナスダック総合 20585.53 -45.14 -0.22
前営業日終値 20630.67
S&P総合500種 6259.75 -20.71 -0.33
前営業日終値 6280.46
COMEX金 8月限 3364.0 +38.3
前営業日終値 3325.7
COMEX銀 9月限 3895.5 +165.0
前営業日終値 3730.5
北海ブレント 9月限 70.36 +1.72
前営業日終値 68.64
米WTI先物 8月限 68.45 +1.88
前営業日終値 66.57
CRB商品指数 303.5235 +3.1546
前営業日終値 300.3689
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