- 2025/07/14 掲載
中国新規銀行融資、6月は急増 刺激策や貿易摩擦休戦で
[北京 14日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)が14日発表した統計に基づくロイターの算出によると、6月の新規人民元建て融資は2兆2400億元(3120億ドル)と、前月の6200億元から急増した。
ロイターがまとめた市場予想の1兆8000億元を上回った。景気刺激策や米中貿易摩擦の休戦が寄与した。前年同月は2兆1300億元だった。
広義の与信・流動性を示す社会融資総量残高は前年比8.9%増と、2024年2月以来の高い伸び。5月は8.7%増だった。
キャピタル・エコノミクスの中国経済担当責任者、ジュリアン・エバンス・プリチャード氏は「先月の広範な信用の伸びは16カ月ぶりの高水準に加速しており、経済の見通しにとってポジティブな兆候だ。短期的な景気急減速リスクが減る」と指摘。
ただ「この追い風は年内に弱まるだろう。主なけん引役である国債発行が再び減速し始めるためだ」と述べた。
1─6月の新規融資は12兆9200億元。前年同期の13兆2700億元から減少した。
家計向け融資は5月の540億元から6月には5976億元へと大幅に増加。企業向け融資は5月の5300億元から1兆7700億元に増加した。
人民銀行は米国の関税の影響に対処するため、5月に広範な景気刺激策を導入した。
人民銀行の鄒瀾・副総裁は14日の会見で「適切に緩和的な」金融政策を維持すると表明。内需を支え、年間経済成長目標の達成を支援するため、必要に応じてペースと強度を調整すると述べた。
また、人民元の切り下げを通じて国際競争力を高めるつもりはないとも発言した。
6月の人民元建て融資残高は前年同月比7.1%増。5月も7.1%増で、過去最低だった。市場予想は7.0%増。
6月のマネーサプライM2の前年比伸び率は8.3%と、2024年3月以来の高水準。市場予想の8.1%を上回った。5月は7.9%だった。
M1の前年比伸び率は4.6%。5月は2.3%だった。
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