- 2025/07/17 掲載
TSMC、第2四半期は過去最高益 AI需要寄与 関税を警戒
[台北 17日 ロイター] - 半導体受託生産世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)が17日発表した第2・四半期決算は、純利益が60.7%急増し過去最高を記録した。市場予想を大幅に上回る結果となった。
ただ同社は、米国の関税措置が将来の利益に影響を及ぼす可能性があると警告。関税の影響が出る場合は、恐らく第4・四半期以降になるとの見方を示した。
また、人工知能(AI)の需要が一段と拡大していると指摘。第3・四半期も大幅な増収を見込んだ。通期の売上高見通しも上方修正した。
魏哲家・最高経営責任者(CEO)は、主要顧客である米エヌビディアが米政府からAI半導体「H20」の対中販売再開を認められたことについて「中国は大きな市場であり、顧客がその市場に半導体の供給を続けられるのは、顧客にとって非常に良いニュースだ。TSMCにとっても非常に良いニュースとなる」と語った。
ただ、第4・四半期は状況が変化する可能性がある。同CEOは「当社は関税の潜在的な影響や、他の多くの不確実性を考慮に入れており、より保守的になっている」とした上で、現時点では顧客の行動に変化は見られないと述べた。
第2・四半期(4ー6月期)の純利益は3983億台湾ドル(135億3000万ドル)だった。AIアプリケーション向け半導体需要の急増が寄与し、5四半期連続で2桁の増益を達成した。
LSEGスマートエスティメーツによるアナリスト20人の予想は3779億台湾ドルだった。
第3・四半期の売上高については、318─330億ドルと予想。前年同期の235億ドル、前四半期の300億ドルを上回るとの見通しを示した。最大40%の増収となる。
通期の売上高見通しも上方修正し、ドル建てで約30%の増収を予想した。従来予想は「20%台半ばに近い水準」だった。
ただ、台湾ドルが今年に入って対ドルで約12%上昇しているため、利益率が低下すると指摘。第3・四半期の粗利益率が55.5─57.5%と、第2・四半期の58.6%から低下すると予想した。米国と日本の新工場への投資拡大も重しとなっている。
今年の設備投資計画は380─420億ドルを維持。黄仁昭・最高財務責任者(CFO)は、今後、設備投資が突然大幅に減少する可能性は非常に低いと述べた。
TSMCの台湾上場株は昨年約80%上昇したが、関税導入や台湾ドル高への懸念から、年初来では5%の上昇にとどまっている。
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