• 2025/07/18 掲載

NY市場サマリー(17日)強い指標で株続伸 ドル上昇 利回り小幅上昇

ロイター

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<為替> ドルが全般的に上昇した。円に対しては、20日投開票の参議院議員選挙のほか、関税の大幅引き上げを回避するための米国との通商合意がいまだ実現していないことへの懸念が重しになっている。

この日発表の米経済指標では、6月の小売売上高が前月比0.6%増と、伸びは予想の0.1%を上回った。また、7月12日までの1週間の新規失業保険申請件数は7000件減の22万1000件と、3カ月ぶりの低水準となった。

これを受け、ドルは上げ幅を拡大。ただその後は失速し、経済指標発表前の水準付近で取引された。バノックバーン・グローバル・フォレックス(ニューヨーク)のチーフ市場ストラテジストマーク・チャンドラー氏は、こうした動きについて「短期的な信頼の欠如」を示すものとしている。

市場では、トランプ米大統領の関税政策が経済に及ぼす影響のほか、米国の財政と債務情勢や、米連邦準備理事会(FRB)の独立性など、市場の方向性を決める可能性のある複数の要因を見極めようとする動きが続いている。前日はトランプ大統領がパウエルFRB議長を近く解任する可能性があるとの報道で、金融市場は値動きの荒い展開となった。

終盤の取引で主要通貨に対するドル指数は0.41%高の98.75。

ユーロ/ドルは0.45%安の1.1582ドル。一時は1.1555ドルと、6月23日以来の安値を付けた。

円は対ドルで0.58%安の148.73円。参院選で石破茂首相率いる連立与党が過半数を失う危険性があることが世論調査で示されている。

暗号資産(仮想通貨)のビットコインは0.22%安の11万9676ドル。

NY外為市場:[USD/J]

<債券> ほぼ全ての年限で利回りが小幅上昇した。この日発表された一連のデータは米経済の底堅さを示唆し、連邦準備理事会(FRB)が年内の利下げ再開に慎重になるという見方を支えた。

午後の取引では、指標となる10年債利回りは小幅上昇の4.459%。経済指標の発表直後には一時、4.495%まで上昇した。同利回りは過去1カ月で23.1ベーシスポイント(bp)上昇している。予想を上回る経済成長と関税関連のインフレ懸念が背景にある。

30年債利回りもデータ発表後に上昇したものの、終盤にかけて上げ幅を縮小し、5.009%と小幅低下にとどまった。同利回りは月初来で24bp上昇している。

2年債利回りは3.2bp上昇の3.917%となった。

2年債と10年債の利回り格差は54bpと小幅に縮小した。前日は一時、連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長解任報道を受け、4月以来の大きさとなる61.8bpまで拡大していた。

この日発表された6月の小売売上高(季節調整済み)は前月比0.6%増と、5月の0.9%減(改定されず)から予想以上に回復し、経済が勢いを取り戻しつつあることを示唆したほか、1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は7000件減少し、22万1000件と、4月以来、3カ月ぶりの低水準となった。

モルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメント(ボストン)のブロード・マーケッツ債券部門の共同責任者、ビシャル・カンドゥジャ氏は、利回りに対し「明らかに押し上げと押し下げ双方の力が働いている」とし、多くの予想よりも強い指標が押し上げ圧力になっていると述べた。

一連のデータを受けて、フェデラルファンド(FF)金利先物市場が織り込む年内の利下げ幅は計43bpと、16日の約47bpから低下した。市場は依然として、FRBが9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げを再開する確率を五分五分とみている。

米金融・債券市場:[US/BJ]

<株式> 米国株式市場は続伸し、S&P総合500種とナスダック総合が過去最高値を更新した。消費の底堅さを示す経済指標や企業決算を好感した。

ナスダックの最高値更新は過去7営業日で6回、S&Pは6月27日以降で6回となった。

アメリプライズ・ファイナンシャルのチーフ市場ストラテジスト、アンソニー・サグリムベネ氏は「(経済指標や企業決算は)経済環境が依然としてかなり堅調であることを示しており、今週はいくつかのデータを支援材料に相場が上昇している」と述べた。

米商務省が17日発表した6月の小売売上高は前月比0.6%増と、前月から予想以上に回復し、経済が勢いを取り戻しつつあることを示唆した。

消費者関連企業の楽観的な見通しも株価を下支えした。

食品・飲料大手ペプシコは7.5%上昇。同社の第2・四半期決算は、米国や欧州など主要市場でのソーダ類やスナック菓子の安定した需要に支えられ、売上高、利益ともに市場予想を上回った。

ユナイテッド航空は3.1%高。7月初旬以降の需要改善を見込んだことを好感した。同業のデルタ航空とアメリカン航空も1.4%超上昇した。

半導体受託生産世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の第2・四半期決算が過去最高益となり、人工知能(AI)の需要が一段と拡大していると指摘したことを受け、半導体関連などハイテク株も買われた。

TSMCの米上場株は3.4%高。マーベルは1.6%、エヌビディアは1%、それぞれ上昇した。

S&P情報技術指数と工業指数はともに過去最高値を更新。金融株も好調だった。

動画配信サービス大手ネットフリックスは1.9%高で通常取引を終了。引け後に発表した第2・四半期決算は、韓国ドラマ「イカゲーム」最終シーズンの人気が追い風となり、利益が市場予想を上回った。

米国株式市場:[.NJP]

<金先物> ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場 は、ドル高や堅調な米経済指標を背景に、反落した。

中心限月8月物の清算値(終値に相当)は前日比13.80ドル(0.41%)安の1オンス=3345.30ドル。 米商務省が朝方発表した6月の小売売上高は前月比0.6%増加と、市場予想の0.1%増加を大きく上回った。変動の激しい自動車・同部品を除いても 0.5%増加と予想(0.3%増加)を上回った。一方、米労働省が同時刻に発表した新 規失業保険申請は、12日までの1週間で前週比7000件減の22万1000件と、5週連続の改善となった。市場予想よりも良好な内容だった。米消費動向や雇用情勢の底堅さが示されたことを背景に、対ユーロでドルが上昇。ドル建てで取引される商品の割高感が意識され、金は売りが優勢となった。

米連邦準備制度理事会(FRB)のクグラー理事は17日、ワシントン市内で行った講 演で、労働市場の安定やトランプ政権の高関税政策によるインフレ上振れリスクを踏まえれば、「しばらく現行水準で政策金利を維持することが適切だ」と述べた。利下げに対する慎重な姿勢を示唆するような発言も、金利を生まない資産である金相場の圧迫要因となった。

一方、赤沢亮正経済再生担当相は17日午前、米国の関税政策を巡り、ラトニック米商 務長官と電話協議を実施。米国が表明した日本に対する25%の相互関税発動が8月1日 に迫る中、日本側は米国側との「調整を精力的に続ける」方針となっている。

NY貴金属:[GOL/XJ]

<米原油先物> ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場 は、中東情勢の悪化を背景とした供給不安から買われ、4営業日ぶりに反発した。

米国産標準油種WTIの中心限月8月物は前日清算値(終値に相当)比1.16ドル(1.75 %)高の1バレル=67.54ドルだった。9月物は1.04ドル高の66.23ドル。

ロイターは17日までに、イラク北部クルド人自治区にある油田施設が連日でドロ ーン(無人機)攻撃を受けていると報道。攻撃により、原油生産量が日量14─15万バ レル落ち込み、半減しているという。イスラエル軍が16日にシリアの首都ダマスカスで 国防省などを空爆したと伝わったことも重なり、中東情勢の悪化に伴うエネルギー供給混 乱を警戒した買いが入った。

米商務省が17日発表した6月の小売売上高は前月比0.6%増加と、市場予想の0.1%増加を大幅に上回った。米労働省が同時刻に発表した新規失業保険も前週比7000 件減の22万1000件と、5週連続の改善となった。米国の高関税政策を巡る不透明感は根強いものの、底堅い米経済指標を受けて投資家らのリスク回避姿勢が後退。米株価が上昇するとともに、株式と並んで同じリスク資産である原油にも買いが入った。また、前日まで3日続落していた反動から安値を狙った買いも入った。

NYMEXエネルギー:[CR/USJ]

ドル/円 NY終値 148.60/148.

63

始値 148.64

高値 149.09

安値 148.39

ユーロ/ドル NY終値 1.1595/1.15

97

始値 1.1585

高値 1.1602

安値 1.1558



米東部時間

30年債(指標銘柄) 17時05分 96*00.5 5.0083

0 %

前営業日終値 95*29.5 5.0150

0 %

10年債(指標銘柄) 17時04分 98*12.5 4.4533

0 %

前営業日終値 98*12.0 4.4550

0 %

5年債(指標銘柄) 17時00分 99*15.5 3.9904

0 %

前営業日終値 99*16.2 3.9850

5 %

2年債(指標銘柄) 17時00分 99*22.6 3.9066

3 %

前営業日終値 99*23.8 3.8850

8 %



終値 前日比 %

ダウ工業株30種 44484.49 +229.71 +0.52

前営業日終値 44254.78

ナスダック総合 20884.27 +153.78 +0.74

前営業日終値 20730.49

S&P総合500種 6297.36 +33.66 +0.54

前営業日終値 6263.70



COMEX金 8月限 3345.3 ‐13.8

前営業日終値 3359.1

COMEX銀 9月限 3830.3 +18.4

前営業日終値 3811.9

北海ブレント 9月限 69.52 +1.00

前営業日終値 68.52

米WTI先物 8月限 67.54 +1.16

前営業日終値 66.38

CRB商品指数 304.2341 +1.0819

前営業日終値 303.1522

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