- 2025/08/19 掲載
インタビュー:円安是正へ日銀利上げ必要、財政規律も=河野元外相
Takaya Yamaguchi Leika Kihara
[東京 19日 ロイター] - 河野太郎元外相は19日にロイターとのインタビューに応じ、「円安を少し、円高方向に転換していくのが一番の物価高対策」と語った。円安是正に向け、日銀の利上げと政府の財政規律が必要になるとの考えも述べた。
物価高を巡り、河野元外相は「円安に端を発した(影響が)かなり大きい」と指摘。ロシアによるウクライナ侵攻に伴う原油や食料品の価格高騰が落ち着きをみせる一方、円安による悪影響が収まっていないとし、為替円安に対し「根本的な対策を打つ必要がある」と述べた。
政府・日銀がアベノミクスに代わる政策協定で足並みをそろえる必要性も訴えた。
河野氏は「日銀の金利の引き上げと、政府の財政規律(の維持)というのが大事」と語った。これまで棚上げされてきた構造改革を進めなければ「日本経済は発展していかない」との考えも強調した。
日銀が金利正常化に踏み出したとはいえ、なお緩和的な金融環境にあることを念頭に「実質マイナス金利という状況から、日本も脱却するメッセージを出すことが大事」とも指摘した。
河野氏は「どこまで(政策金利を)上げたらいいのかは日銀の裁量の範囲になるが、この状況下で実質マイナス金利という状況が長く続いて良いとは思えない」とし、「タイミングをみながら、日銀が少しずつ、緩やかに上げていくことになるのではないか」との見通しを示した。
年内の利上げ観測に対しては「一つ一つにコメントするのはどうかと思うが、むしろ遅かったくらい」との私見を述べた。
一方、財政運営に関し、河野氏は「長期国債の買い手が構造的に少なくなりつつある中で、今までのような国債の発行を続けられるとは思っていない」と言及。「危機を理由に財政をルーズにする(過去の予算編成を)反省し、戻していくところは戻していかなければいけない」と語った。
参院選敗北に伴う石破茂首相の進退に関しては「総理の出処進退は総理が決める話」と述べるにとどめた。
自民党総裁選の前倒しが取り沙汰される中、自身が出馬するかどうかは「総理がまだ何もおっしゃっていないのに、その先のことを言うのはせんえつだ」と明言を避けた。
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