- 2025/08/20 掲載
輸出拡大、M&Aに意欲=国内縮小、海外に活路―瀬辺日本製紙社長
6月に就任した日本製紙の瀬辺明社長はこのほどインタビューに応じた。新聞、コピー紙などに使われるグラフィック用紙の需要が国内で減少する中、家庭紙や紙容器、バイオマス素材などの輸出を拡大し、「海外のマーケットを取り込んでいく」と強調。海外でのM&A(合併・買収)にも意欲を示し、「(労働力が多い)人口ボーナスがある南アジアやサハラ砂漠以南のアフリカなど、需要動向を見極めて選定する」と語った。
同社は、現在6カ所ある国内のグラフィック用紙生産拠点を2028年度までに3カ所程度へ集約する計画を掲げる。ただ、瀬辺氏は「(市場縮小が)当初の想定より早まっている。生産体制見直しのスピード感も変えていかないといけない」と述べ、計画の修正も含め今後、検討を進める考えを示した。
成長の柱に据える海外では、20年にオーストラリアで約1243億円を投じM&Aを実施。だが、新設した子会社は原料のユーカリ材の調達ができなくなり、23年にグラフィック用紙事業から撤退した。瀬辺氏は豪州事業について「新たな段ボール工場建設など設備のてこ入れで生産性を上げている」と強調。現在は赤字だが「26年度からしっかり黒字化したい」と話した。
【時事通信社】 〔写真説明〕インタビューに答える日本製紙の瀬辺明社長=7月29日、東京都千代田区
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