- 2025/08/23 掲載
情報BOX:パウエルFRB議長のジャクソンホール講演要旨
講演の要旨は以下の通り。
<経済情勢について>
*失業率の安定により、政策スタンスの変更の検討を「慎重に進める」ことが可能
*インフレリスクは上振れ、雇用リスクは下振れに傾いている
*米連邦準備理事会(FRB)の2大目標は緊張状態にあり、両方のバランスを取る必要がある
*労働市場の下振れリスクは上昇している
*国内総生産(GDP)成長率は著しく減速しており、消費支出の鈍化を反映している
*最新データでは7月の米個人消費支出(PCE)価格指数は前年比2.6%、PCEコア価格指数は2.9%上昇を示唆
*リスクバランスの変化により政策スタンスの調整が必要になる可能性
<関税の影響について>
*関税が消費者物価に与える影響が明確化し始めている。今後数カ月でその影響が蓄積されると予想
*関税によるインフレ効果は短期的というのが、合理的な基本シナリオ
*関税による価格上昇圧力が持続的なインフレを引き起こす可能性はあるが、労働市場の下振れリスクを考慮すると、その可能性は低い
*一時的な価格上昇が継続的なインフレ問題となる状況を防ぐ必要がある
<労働市場について>
*移民政策の厳格化により労働力成長が急激に鈍化
*雇用成長の減速は、労働市場の大きな余剰を生み出しておらず、FRBはそれを回避したいと考えている
*労働供給が需要に合わせて軟化しており、「損益分岐点」の雇用成長が大幅に低下している
*労働市場では「奇妙な」均衡状態が保たれている
<新たな政策フレームワークについて>
*フレームワークでは、FRBの2大目標が緊張関係にある際にバランスの取れたアプローチを求める
*従来のフレームワークが過度に特定的な経済条件を重視していたことが、幾分の混乱を招いた可能性がある
*フレームワークでは、低金利環境に関する文言を削除
<フレームワークの特徴>
*新たなフレームワークは、様々な経済状況下で機能するよう設計されている
*新たなフレームワークでは、より長期的なインフレ期待が安定的に定着し続けるよう、断固として行動するコミットメントを重視
*FRBは依然として、雇用が最大限持続可能な水準を超えている可能性があるという不確実な推定だけを根拠に、政策を引き締める必要はないと考えている
*前回声明での不十分な文言がコミュニケーション上の課題を引き起こしており、新しいフレームワークでは削除されている
*逼迫した労働市場が物価安定にリスクをもたらす場合、先制的な対応が正当化される可能性が高い
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