• 2025/09/02 掲載

通商政策の影響、当面は「大きくなる可能性」に注意=氷見野日銀副総裁

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Takahiko Wada

[釧路市(北海道) 2日 ロイター] - 日銀の氷見野良三副総裁は2日、北海道釧路市で開いた金融経済懇談会で、各国の通商政策の影響は「いずれ顕在化する」とした上で、当面は影響が「大きくなる可能性の方により注意が必要ではないか」と述べた。物価については、2021年以降に一時的な押し上げ要因が相次いでいるのは「たまたま」であり、米国の関税政策に伴う下方圧力がすでに出てきている可能性に言及した。

氷見野副総裁は利上げスタンスの継続を示した。経済・物価のメインシナリオが実現していくとすれば、経済・物価情勢の改善に応じて、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくことが適切だと話した。その上で「私たちの前からリスクや不確実性がなくなることはない」とし、上方向のリスクと下方向のリスクのバランスを評価した上で「メインシナリオから離れた時にもあまり困ったことにならないよう、適時適切に対応していきたい」と述べた。

氷見野副総裁は、関税を巡る日米間の合意は「大きな前進」であり、日本経済の先行きの不確実性低下につながると述べた。ただ、品目別関税で不確定な部分があるほか、通商政策が経済にどう波及するかも不確実だとして「世界経済にとっての不確実性は引き続き高い」と指摘した。

物価については、基調的なインフレ率は2%より低いが、賃金と物価が相互に参照しながら上昇していくメカニズムが働いて「2%にかなり近づきつつあり、足踏みはあってもいずれ2%に達する」との見通しを示した。

ただ、足元の高いインフレ率はコメ価格の急上昇が起点となって起きた「一時的な変動の面がかなりある」と指摘。21年以降、国際商品市況の高騰、急速な円安、コメ価格高騰と一時的な物価押し上げ要因が次々に浮上したが、氷見野副総裁は「上向きの一時要因が続いているのはたまたまにすぎず、次は下向きのショックが来るかもしれない、いや、米国関税政策という形ですでに来ている」と語った。

その上で、一時的な変動要因の背景に基調的な動きがあるかの見極めは「極めて難しい」と指摘。経済の変化はまず個別の特殊な動きとして表れるが「そうした動きが本当に一時的なものに過ぎない場合もしばしばあり、それが基調的な動きの表れと誤認すると、政策は無用にブレてしまう」と語った。

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