- 2025/09/03 掲載
国債先物反落、30年金利が最高水準更新 財政懸念が相場圧迫
きょうの国債先物は、前日の欧米市場で国債が売られて夜間取引の円債先物も下落した流れが波及し、1日を通じて売り優勢の軟調な展開となった。終盤にかけては、米国債が時間外取引で売られたことも円債相場を圧迫した。
三井住友トラスト・アセットマネジメントの稲留克俊シニアストラテジストは、自民党の森山裕幹事長ら党四役が辞意を表明して石破茂政権の基盤が揺らぐ中、財政規律派とされる石破茂首相(党総裁)の退陣が連想されて超長期ゾーンを中心に国債が売られたと指摘。さらに英国やフランスでも、同様に政治・財政への不安により超長期金利が十数年以上ぶりの水準に急上昇しており、その流れへの連鎖も相まって強い売り圧力になったという。
このほか、日銀がこの日実施した短中期・超長期ゾーン対象の国債買いオペは「総じて悪くない結果」(国内運用会社)と受け止められ、追加的な売り材料とはならなかった。
現物市場で10年物以外の新発国債利回りもおおむね上昇。超長期ゾーンの金利上昇が目立ち、イールドカーブはスティープ化した。
2年債は前営業日比横ばいの0.865%、5年債は同1.0bp上昇の1.155%。20年債は同6.0bp上昇の2.680%。一時1999年10月以来約26年ぶり高水準の2.690%をつける場面もあった。30年債は同8.5bp上昇の3.285%と過去最高水準を更新した。40年債は同9.0bp上昇の3.535%。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の鶴田啓介シニア債券ストラテジストは「政局と財政政策を巡る不透明感が投資家の買い手控えにつながっている。金利が上がれば買い手がいなくなり、買い手がいなくなれば金利がさらに上昇する、との悪循環が足もとで一層強まっている」との見方を示した。
短期金融市場で無担保コール翌日物の加重平均レートは、前営業日(0.478%)から横ばい圏の見通し。「きょうも試し取りが多くあったが、引き続きビッドサイドの資金調達ニーズは強めだった」(国内金融機関)との声が聞かれた。
大阪取引所のTONA3カ月金利先物の9月限(最終取引月は25年12月)は同横ばいの99.4650。
TRADEWEB
OFFER BID 前日比 時間
2年 0.858 0.865 -0.003 15:02
5年 1.152 1.159 0.009 15:03
10年 1.624 1.63 0.03 15:12
20年 2.68 2.687 0.058 15:08
30年 3.279 3.288 0.083 15:12
40年 3.523 3.534 0.085 15:09
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